2015 Fiscal Year Research-status Report
海洋生物に含まれる細胞周期阻害物質のFucci細胞を用いた効率的探索
Project/Area Number |
15K14799
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
松永 茂樹 東京大学, 農学生命科学研究科, 教授 (60183951)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | Fucci2細胞 / 細胞周期 / 海洋生物 / 抗がん剤 |
Outline of Annual Research Achievements |
近年開発されたFucci2導入HeLa細胞を用いて、海洋生物からがん細胞の細胞周期を特異的に停止させる化合物の探索を行った。この細胞は細胞周期の進行に伴い、発する蛍光の色が赤から緑に変化する。本研究では、タイムラプスイメージング顕微鏡を用いてこの細胞を観察し、従来のフローサイトメトリーでは、多数の試料を迅速に試験することは困難であったが、今回の試験法の導入により、細胞周期停止活性を迅速かつハイスループット、および高感度で検出することができた。当研究室が所蔵する海洋生物由来の抽出物ライブラリーを混合物のままスクリーニングにかけ、有望そうな試料についてはさらに予備分画を行い96穴マルチウェルプレートを用いて分取し、それぞれのウェルについて細胞周期停止活性を調べた。本法の導入により、粗抽出物中の夾雑物による妨害を防ぎ、効率よく活性物質を検出できた。現在、活性を示した試料に関して、大量抽出、溶媒分画、オープンカラムクロマトグラフィーによる分画を終え、活性画分の高速液体クロマトグラフィーによる分取を進めている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
スクリーニングにおいて活性を示した試料から活性成分の探索を行っている。
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Strategy for Future Research Activity |
粗抽出物の予備分画物のスクリーニングと活性成分の単離・構造決定を進める。
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Causes of Carryover |
概ね予定通りの支出が行えている。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
研究を進めるために必要な物品の購入を中心とした支出計画を立てている。
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