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2015 Fiscal Year Research-status Report

農産物取引における価格支配力と利潤分配に関する研究

Research Project

Project/Area Number 15K14813
Research InstitutionKagoshima University

Principal Investigator

豊 智行  鹿児島大学, 農水産獣医学域農学系, 教授 (40335998)

Project Period (FY) 2015-04-01 – 2018-03-31
Keywords農産物取引 / 利潤分配 / 価格支配力 / 市場支配力 / 交渉力
Outline of Annual Research Achievements

売り手(以下S)1人と買い手(以下B)1人の市場における農産物の相対取引モデルを構築し以下を明らかにした。
1.SとBが取引量の増減に関係なく価格を交渉すると、Bの限界評価とSの限界費用が等しくなる価格と量に決まる。2.Sは取引量が少なくなる時は価格を高く(多くなる時は低く)という姿勢を崩さずに交渉すると、1と比べて量は同じであるがより高い価格に決まり、Sが超過利潤を得る。3.Bは取引量が少なくなる時は価格を低く(多くなる時は高く)という姿勢を崩さずに交渉すると、1と比べて量は同じであるがより低い価格に決まり、Bが超過利潤を得る。
S複数以上とB複数以上が存在する場合には以下になることを解明した。
4.SとBの取引量が市場全体取引量の増減に影響を及ぼすことができるが、SとBがその増減に関係なく価格を交渉する場合は、Bの限界評価とSの限界費用が等しくなる価格と量に決まる。5.SとBの取引量が市場全体取引量の増減に影響を及ぼすことができ、かつ、Sは市場全体取引量が少なくなる時は価格を高く(多くなる時は低く)という姿勢を崩さずに交渉すると、4と比べて量は同じであるがより高い価格に決まり、Sが超過利潤を得る。6.SとBの取引量が市場全体取引量の増減に影響を及ぼすことができ、かつ、Bは市場全体取引量が少なくなる時は価格を低く(多くなる時は高く)という姿勢を崩さずに交渉すると、4と比べて量は同じであるがより低い価格に決まり、Bが超過利潤を得る。7.SとBの取引量が市場全体取引量の増減に影響を及ぼすことができないと、SとBがその増減に応じて価格を上下させるように交渉しても、Bの限界評価とSの限界費用が等しくなる価格と量に決まる。この場合4と比べて量は多く価格は高く決まる。
売り手と買い手の利潤分配に影響する価格支配力の源泉は、市場支配力と取引交渉力である。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

平成27年度の研究実施計画では、売り手1人と買い手1人の農産物市場における取引交渉の実態に関する聞き取り、その取引の価格及び数量データの収集を計画したが、このような事例を見出すことが困難で、実行できなかった。このような状況は想定できたので、そのような場合は売り手複数以上と買い手複数以上の農産物市場を事例とした取引の仕方の聞き取りとその価格及び数量のデータ収集に代替する計画であったが、両方を同時に遂行できる調査を実行することができなかった。

Strategy for Future Research Activity

今後は売り手複数以上と買い手複数以上の農産物市場における取引の仕方の実態調査を増やしていく。その際にその場での取引データの収集も試みるが、容易に収集できないことも想定して、公表された取引データを本研究課題の分析に使える対象に取引実態調査先を絞り込んでいく。研究当初に予定したように日本産農産物の国際取引を分析するために、取引実態についてはその輸出者と輸入者から聞き取りを行い、取引データは財務省『貿易統計』を利用する方策、これに加えて国内における農産物取引分析のために、取引の実態は卸売市場での売り手と買い手からの聞き取りにより、そのデータは公表されている卸売市場統計より情報収集する方策を推進していく。

Causes of Carryover

予定よりも取引の実態聞き取りと取引のデータ収集の現地調査が少なかったためである。

Expenditure Plan for Carryover Budget

取引に関する現地調査を次年度は増やすことを計画しており、そのために使用する。現地調査の増加は、今後の研究の推進方策に述べた方策を実施することにより達成していく。

  • Research Products

    (2 results)

All 2015

All Presentation (1 results) Book (1 results)

  • [Presentation] 資源循環システムにおける農業、食品加工業副産物の市場構造と行動-中国食品加工業「河北徳力」を事例として-2015

    • Author(s)
      馬麗娜、豊智行
    • Organizer
      食農資源経済学会
    • Place of Presentation
      鹿児島国際大学(鹿児島県鹿児島市)
    • Year and Date
      2015-09-20 – 2015-09-20
  • [Book] 新たな食農連携と持続的資源利用-グローバル化時代の地域再生に向けて-2015

    • Author(s)
      食農資源経済学会 編
    • Total Pages
      366(67-75)
    • Publisher
      筑波書房

URL: 

Published: 2017-01-06  

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