2017 Fiscal Year Research-status Report
途上国農漁村の衛生管理における隠匿行動の経済疫学研究
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15K14814
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Research Institution | Obihiro University of Agriculture and Veterinary Medicine |
Principal Investigator |
耕野 拓一 帯広畜産大学, 畜産学部, 准教授 (20281876)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
桟敷 孝浩 国立研究開発法人水産研究・教育機構, 中央水産研究所, 主幹研究員 (10453250)
宮崎 さと子 (窪田さと子) 帯広畜産大学, 畜産学部, 助教 (90571117)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | ベトナム / 社会関係資本 / 構造方程式モデリング / 隠匿行動 |
Outline of Annual Research Achievements |
ベトナムのフエ省におけるエビ養殖の特色である,ラグーンの汽水を利用したエビ養殖が盛んに行われているPhu Vang地区とPhu Loc地区で、Social Capital(SC)とエビ疾病発生の関係を明かにするため実態調査を行った。Phu Vang地区ではPhu XuanコミューンとPhu Dienコミューン,Phu Loc地区ではLoc DienコミューンとVinh Hungコミューンを調査対象コミューンに設定した(計4コミューン)。フエ大学の協力のもと,コミューンあたり40戸,計160戸の小規模エビ養殖業者を対象に質問紙調査法を実施した(2017年8月24日~同年9月3日)。 SCと知識から行動までの心理プロセスによる,エビの疾病抑制の仕組みを,構造方程式モデリング(Structural Equation Modeling:SEM)を用いて推定した。詳細な分析はこれからであるが、次の点が明かとなった。1)在来的な地縁組織であるエビ養殖組織(SG)では,養殖業者間のSCが形成され,技術集会への参加意欲が高まり、エビの疾病頻度は減少している。2)新しく組織されたコミュニティ水産組織(SCFA)では,養殖業者間のSCは形成されておらず,技術集会などへの参加意欲は低く,エビの疾病頻度の減少には至っていない。以上から、エビの疾病発生にはSCが関係していることが明かとなってきた。 システムダイナミックスに必要なパラメータの推計が困難であり、この部分については次年度において、引き続き検討する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
システムダイナミックスに必要となるエビ疾病に関わるパラメータの推計が困難となり、Structural Equation Modeling(SEM)を導入した。当初の目的通りとはならなかったが、SEMのエビの疾病発生の関係が明かになりつつある。
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Strategy for Future Research Activity |
システムダイナミックスによるシミュレーションの可能性は引き続き検討する。隠匿行動について現在調査中であり、次年度に成果が得られると期待している。
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Causes of Carryover |
天候等の理由により隠匿行動の調査ができなかったため。 次年度に同じ調査地域(ベトナム・フエ省)で隠匿行動に関する調査を実施する。
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Research Products
(3 results)