2018 Fiscal Year Annual Research Report
Economic and epidemiological study on concealment behavior of hygiene management in agriculture and aquaculture in developing country
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15K14814
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Research Institution | Obihiro University of Agriculture and Veterinary Medicine |
Principal Investigator |
耕野 拓一 帯広畜産大学, 畜産学部, 教授 (20281876)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
桟敷 孝浩 国立研究開発法人水産研究・教育機構, 中央水産研究所, 主幹研究員 (10453250)
宮崎 さと子 (窪田さと子) 帯広畜産大学, 畜産学部, 助教 (90571117)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 隠匿行動 / 構造方程式モデリング / ICT / ベトナム / エビ養殖 / 抗生物質 |
Outline of Annual Research Achievements |
前年度に小規模エビ養殖業者を対象に行った調査データの分析を行った。 隠匿行動の解明を行うために行ったItem Count Technique(ICT)では、次の二つの文章を養殖農家が答えにくい質問項目とした。第一は「エビ収穫後に、養殖の水を消毒することなく外部に直接排水している」、第二は「許可なしにバナメイエビの養殖を行っている」、である。フエ省ではエビ収穫後に、養殖で使った水を適切に消毒して外部(汽水湖)に排水しなければならなく、また、バナメイエビは、環境汚染の恐れから、養殖には許可が必要である。ICTの結果、上記二つの質問を直接尋ねた回答割合は、間接質問の割合よりも高くなっており、特に第一の質問は統計的有意な差があった。すなわち、エビ養殖に利用された排水が十分に消毒されることなく、排水されている可能性が示唆された。 現地のエビ養殖農家では、多発するエビの疾病予防のために抗生物質が多量に利用されている。抗生物質利用を適切に行う農家の衛生管理行動に影響を与える要因を、構造方程式モデリングから明らかにした。環境汚染に対する認識が高いこと、安全な食品(エビ)に対する認証表示への認識が高いことなどが、農家の適切な衛生管理行動への動機づけに結び付くことが明らかになった。 ベトナムのエビ養殖における疾病発生の一つの要因として、養殖農家が利用した水を十分に消毒することなく排水している可能性は、以前からも関係者から指摘されていたが、誰もその存在を示すことはできなかった。本研究ではICTを用いて、その可能性(隠匿行動)を明らかにした。疾病の多発は抗生物質の過剰な利用にもつながる。エビ生産現場における、より適切なモニタリング制度の導入などが必要である。
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Research Products
(7 results)