2015 Fiscal Year Research-status Report
湖沼・ため池・水路底泥の分級・脱水・改質によるリサイクル回路の構築
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15K14822
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
西村 伸一 岡山大学, 環境管理センター, 教授 (30198501)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
後藤 丹十郎 岡山大学, その他の研究科, 教授 (40195938)
村上 賢治 石川県立大学, 公私立大学の部局等, 教授 (40200266)
珠玖 隆行 岡山大学, その他の研究科, 助教 (70625053)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 浚渫底泥の有効利用 / 一軸圧縮試験 / 乾燥処理 / 脱水処理 / 石灰改良 / 糞尿硫酸利用 / 植栽土壌 / 改良土 |
Outline of Annual Research Achievements |
ため池,水路,湖沼の,浚渫土利用促進方法の確立を研究の最終目的としている.研究の完成によって,産業廃棄物として処理されなければならない浚渫底泥を有効利用できるほか,底泥に吸着し,富栄養化の原因ともなっているリンなどの肥料成分が再利用できる可能性が広がる.平成27年度の研究内容は以下のとおりである. (1) 分級・脱水・乾燥装置の開発:平成27年度は,脱水装置の性能試験を重点的に行った.脱水機能と,透気(エアブロー)機能が適切に働くことを確認した. (2) 泥土の改質:泥土は一般的に土質材料としても,植栽土壌としても使いにくい状態にあるが,乾燥化によって吸着力を失い,非常に透水性の高い材料に変化することが分かっている.27年度は,岡山県内のため池から底泥を採取し,乾燥処理を施した.更に,糞尿処理から生じる硫酸(廃棄物)を利用して,底泥と混和した.その結果,乾燥温度の高いほど溶出するイオンの量が増加することが分かった.また,硫酸の添加によって,溶出イオンが増加することを確認した. (3) 石灰改良した泥土の強度特性の検証:乾燥処理した泥粗をさらに生石灰によって固化処理し,一軸圧縮試験を試みた.その結果,乾燥処理温度が高いほど,同じ石灰の添加量に対して大きな強度が発現できる傾向が明らかとなった. (4) 乾燥泥土の植栽土壌としての利用:乾燥処理した泥土を植栽土壌として,栽培実験を行った.栽培植物として,コマツナとペチュニア,ニチニチソウ等の花卉を用いた.結果として,乾燥温度によって生育に変化は見られたが,期待されたような生育の増進効果は見られなかった.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
上記(研究実績)で示した4項目の予定研究を概ね達成することができた.ただし,当初計画の,分級・脱水・乾燥装置の完成には至っておらず,27年度は脱水装置の機能評価のみを行うに止まった.28年度は,この研究項目を十分に進める必要がある.
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Strategy for Future Research Activity |
今後,次の研究に重点を置き,研究を達成させる. (1) 分級・脱水・乾燥装置の完成:現在,若干遅れているこの項目について,28年度は重点的に取り組む. (2) 乾燥泥土の植栽土壌としての利用:28年度は,脱水・乾燥改良土への硫酸添加による改質効果を確認するための植栽実験を実施する.
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Causes of Carryover |
実験装置の作成が予定より遅延したことにより,作成のための資材費が使用されなかったため,計画と実績に齟齬が生じた.
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
28年度に,試験装置の作成のために使用する予定である.
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Research Products
(3 results)