2016 Fiscal Year Annual Research Report
Higher cleaning of milk deposits by controlling the surface roughness of stainless steel tubing
Project/Area Number |
15K14829
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
井原 一高 神戸大学, 農学研究科, 准教授 (50396256)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
梅津 一孝 帯広畜産大学, 畜産学部, 教授 (20203581)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 牛乳汚れ / 洗浄 / 表面粗さ / ステンレスパイプ |
Outline of Annual Research Achievements |
酪農業における搾乳プロセスや,牛乳製造工程において,ステンレスパイプが多様されている。パイプ表面には乳成分が付着しやすく,製品の品質保持のためには洗浄工程が不可欠である。本研究では,磁気研魔法によって表面を平滑化させたステンレスパイプを用いて,牛乳成分の洗浄性評価を行った。実験に供試した磁気研磨ステンレスパイプの表面粗さは,一般のサニタリーパイプの1/20以下にまで平滑化させたものである。牛乳循環送液装置に,磁気研磨パイプを含む粗さが異なる3種類のパイプを組み込み,市販牛乳を一定温度に保ちながら,汚れをパイプに付着させた。その後,洗浄液でパイプを定置洗浄させ,パイプ表面の残留物を分析することによって,洗浄性を評価した。 牛乳温度および洗浄液流量が洗浄性に与える影響を評価したところ,表面を0.01 μm Raまで平滑化させると,特定条件下において牛乳汚れおよび乳タンパク質の洗浄性が向上することが明らかになった。特に牛乳温度が40℃の場合,洗浄液流量を増加させると表面平滑化による洗浄性向上の効果が増大した。表面平滑化による洗浄性向上の理由として,表面の残留した汚れに作用する洗浄液由来のせん断力が増大したことが考えられた。一部の乳タンパク質が変性する60℃においては,表面平滑化による洗浄性効果は小さくなった。 これらの知見は,ステンレスパイプの表面を0.01 μm Raまで平滑化させることは,特定の牛乳汚れの洗浄性を向上させ,環境負荷低減への寄与を示唆するものである。
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