2016 Fiscal Year Annual Research Report
Extension of soil frost control for agricultural application
Project/Area Number |
15K14831
|
Research Institution | National Agriculture and Food Research Organization |
Principal Investigator |
廣田 知良 国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構, 北海道農業研究センター 生産環境研究領域, グループ長 (20343949)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
柳井 洋介 国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構, 本部 経営戦略室, 主任研究員 (00596455) [Withdrawn]
中村 卓司 国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構, 北海道農業研究センター 水田作研究領域, グループ長 (60399425)
下田 星児 国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構, 北海道農業研究センター 大規模畑作研究領域, 上級研究員 (80425587)
岩田 幸良 国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構, 農村工学研究部門農地基盤工学研究領域, 上級研究員 (70370591)
|
Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2017-03-31
|
Keywords | 土壌凍結 / 環境制御 / 積雪 / 農業技術 |
Outline of Annual Research Achievements |
土壌凍結深制御手法での凍結手段の拡張として雪割り(除雪)に加えて、雪を踏みつぶして熱伝導効果を高め、凍結を促進させる圧雪手法を検討した。北海道芽室町の実験圃場では、2013-2014年は、平均気温が-15度を下回る日が2日しかない温暖な冬であったが、3回の圧雪実施により最大凍結深33cm、5回で50cmに達した。2014年-2015年は平均気温が-15度を下回る日が9日あり、圧雪実施回数1回で凍結深37cm、3回で56cmに達した。2014年-2015年は12月中に積雪深が50cmを超えたが、このような初冬に積雪が多い年でも、圧雪により積雪の熱伝導を変化させることで土壌凍結深を制御可能であることを実証できた。圧雪における積雪過程を再現する積雪深推定モデルを新たに開発した。これは自然状態の積雪深、積雪水量と降雪水量を用いて、圧雪した場合、積雪深は異なるが積雪水量は自然状態と同量であるという条件が成立することで、水収支的も圧雪時の積雪深推定する手法である。観測との比較検証結果も良好であった。また、北海道農業研究センターにおける火山灰土壌の畑で自ら蓄積したデータを統合的に精査することで、農業生産性を高めつつ環境負荷が小さく抑える土壌凍結深制御の目標値を探った。その結果、年最大凍結深が28cmより深ければ野良イモの発生はほぼ抑制できることが確認され、また、土壌凍結深が深くなることにより融雪水が浸透しにくくなる効果が強くなることと硝酸態窒素が融雪水に流されず土に残りやすくなることとがバランスする年最大凍結深が33cmであることが見いだした。一酸化二窒素の排出リスクは年最大凍結深が深いほどそのリスクは高まる傾向があったことも勘案し、農業生産性の向上と環境負荷の低減を両立する土壌凍結深制御の目標値として新たに、年最大凍結深約30cm(28~33cm)を提案した。
|