2015 Fiscal Year Research-status Report
ユニークな分光法のカップリングによる脱ケモメトリクス果実評価手法の構築
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15K14833
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
土川 覚 名古屋大学, 生命農学研究科, 教授 (30227417)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
稲垣 哲也 名古屋大学, 生命農学研究科, 助教 (70612878)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 非破壊計測 / 分光分析 / 吸収係数 / 散乱係数 / 果実 / 輸送散乱方程式 |
Outline of Annual Research Achievements |
本件究では、ピコ秒オーダの極短時間パルス光の物質内部での時間変化を解析することにより、果実の吸収係数および等価散乱係数を厳密に求め(TOF-NIRS法)、さらに果実に照射されたレーザ光の拡散 反射光強度を2本のファイバで検出し(TFDRS法)、両者のパラメータから物質内部での光吸収量(化学成分値)を統計解析に頼らずに求める。これにより、果実の糖度・酸度が正確に検出できるため、近赤外分光解析のブラックボックス的な側面を払拭したロバストな分光手法を確立することができる。 本年度は、TFDRS対応簡易光学系の設計・構築を行った。このシステムを用いて、基準物質として、生物由来の高散乱物質であるラテックスの測定を行い、装置および測定の妥当性を検証した。実測反射率に輸送散乱方程式をフィッティングさせてラテックスの吸収係数および等価散乱係数を算出したところ、既往の研究と同様の値が 得られた。今後は本システムとTOF-NIRSを組み 合わせることにより、リンゴの等価散乱係数および吸収係数の厳密測定を行う。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当該研究では、TOF-NIRS法およびTFDRS法という2つのユニークな分光法を組み合わせて新規の果実糖度非破壊評価システムを構築することが主眼となる。今年度は、計測システムの構築を中心に研究を進め、予定通り装置がほぼ完成した。次年度からは計測実験を当初計画に基づいて実施できると思われる。以上より、おおむね順調に進呈していると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
完成させたTFDRS 対応簡易光学系を用いて、リンゴおよびミカンの糖度・酸度推定を試みる。まず、リンゴおよびミカンの相対吸光度比を測定する。次に試料を搾汁し、糖度および酸度を定法に基づいて求める。 糖度および酸度の推定回帰直線を相対吸光度から作成し、予測精度やS/N 比を評価する。測定した波長の中から、予測に最適な波長の組み合わせを決定する。また、プローブから 試料までの距離が予測精度に及ぼす影響も考慮して、最適測定条件を見出す。
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Causes of Carryover |
本年度は装置設計・作成に時間を要したため、当初計画していた出張が適わなかった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
装置機能向上のための備品購入および旅費に充当させる。
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Research Products
(1 results)