2015 Fiscal Year Research-status Report
植物自らが必要な水分量を判断し自己かん水制御ができる電気的水分センシング法の開発
Project/Area Number |
15K14835
|
Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
森永 邦久 岡山大学, その他の研究科, 教授 (90414789)
|
Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2017-03-31
|
Keywords | 植物体水分 / センシング / 周期 / 蒸散 |
Outline of Annual Research Achievements |
本課題では植物が自らの水分状態に応じて、自動的にかん水装置の電源をオン-オフして必要なだけの水分を自己供給できるシステムを開発し、その適合性を明らかにすることを目的としている。 本年度は植物の水分状態を大きな関連性をもつ生体電位に着目して、生体電位を計測できる装置の開発を行い、植物の葉からの蒸散作用によって出てくる微量水分を計測して、両者(生体電位と蒸散速度)の関連性を検討した。 当初、生体電位を静電容量として計測する計画で計測装置を開発したが、安定性に欠けることが明らかとなり、静電容量に代わって電気周期を計測でき、その値をWiFiシグナルとして発信できるセンサーを開発して検討を行い、安定的に計測できることが明らかとなった。本センサーを用いて、十分な光と水分供給を受けている植物体(ブドウ)の葉の水分を計測した結果、本センサー計測値ns(ナノ秒/周期)と葉からの蒸散速度の間には相関がみられることを明らかにした。また、モモでは周期が3,000~4,000nsであると蒸散速度が7~9μmol/m2/sの範囲であることが明らかとなり、センサーの有効性を示すことができた。 本研究のもう一つの目的である植物個体自らの水分状態を反映したリアルタイムな自動かん水制御システムの開発においては、水分状態を電気シグナル化するために、センサーによって得られた電気周期の値をWiFiによってシグナル化し、かん水装置の電源制御装置と結び付け、自動的なかん水管理を行うために、システムの開発に着手している。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
植物の水分状態を電気周期として把握できるセンサーを開発して、植物の水分状態(蒸散速度)との関連性を検討して、おおむね正の相関を得ることができた。また、得られた電気周期の値をWiFiによって、かん水制御装置の制御装置に送ることで、かん水装置のオン-オフができるシステムを作るところまで進展している。
|
Strategy for Future Research Activity |
今後は開発したセンサーによって、複数の植物において異なる水分状態の電気周期と蒸散速度によって計測した水分状態との関連性をさらに検討し、制御すべき水分状態での周期値を明らかにして閾値を設定する。 また、その閾値をWiFiによってかん水制御装置に電気シグナルとして送ることによって、自動的なかん水の制御が可能となるシステムを構築する。
|
Causes of Carryover |
水分センサーの製作において、想定したよりも費用を要せずに開発することができ次年度使用することとした。
|
Expenditure Plan for Carryover Budget |
今後、水分センサーとかん水制御装置との一体化システムの作成に利用する。
|
Research Products
(1 results)