2016 Fiscal Year Annual Research Report
The exploration of functional domain of IFN-tau with synthetic peptides for the possible substitution of recombinant protein
Project/Area Number |
15K14837
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
高橋 昌志 北海道大学, 農学研究院, 教授 (10343964)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | IFN tau / 構造ペプチド / 子宮上皮細胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
インターフェロンτ(IFNτ)は反芻動物特有の妊娠認識に関与する重要なタンパク質であり、子宮内膜組織を介したシグナル経路により黄体退行を抑制することで妊娠の成立・維持に寄与している。IFNτはtype Ι IFNに分類されており、その受容体であるインターフェロンαレセプター(IFNAR)1、IFNAR2と反応することでインターフェロン活性化遺伝子(interferon-stimulated genes、ISGs)の発現を誘導する。しかし、IFNτのどのアミノ酸配列が受容体と反応をしているかは不明である。そこで、本研究は受容体と反応するアミノ酸配列である活性リガンド領域を明らかにすることを目的とした。食肉処理場から採取したウシ子宮内膜より間質細胞を分離し、5% FBS-DMEMにて、5% CO2、38.5℃の条件下にて培養した。IFNτの192アミノ酸残基全てを27-28アミノ酸残基の7つのペプチド(Pe)に分けて化学合成し、DMSOに溶解して単独、溶媒区(0.1% DMSO)、Pe1-7区(3.5mM)、全ペプチド添加及び、IFNτとの共添加区(500 IU)に分け、3~24時間培養した。ペプチドの作用については、IFN二より誘導されるMX-1,ISG15を指標としたところ、ペプチド自身によるアゴニスト、アンタゴニスト効果は見られなかった、次に、ヒトIFNαの受容体結合部位の4カ所について合成したペプチドについても細胞への単独、混合およびIFNτとの共添加による作用効果の検証を試みたが、いずれのペプチドについてもアゴニスト、アンタゴニスト効果は見られなかった。このことから、機能性部位に関しての配列構造は短鎖ペプチドとしては、単独立体構造の変化やタンパク全体の3次元構造が破壊されることで、受容体との結合、シグナル伝達に関する作用が失われることによると考えられた。
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