2016 Fiscal Year Research-status Report
ウシ血中エクソソーム中のマイクロRNAを利用した超早期妊娠診断法の開発
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15K14838
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Research Institution | Iwate University |
Principal Investigator |
木崎 景一郎 岩手大学, 農学部, 教授 (40337994)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | miRNA |
Outline of Annual Research Achievements |
血漿(血清)由来のエクソソームに内包されるマイクロRNA(miRNA))に焦点をあて,ウシの妊娠診断・新規バイオマーカーの探索を目的とし,今年度は人工授精牛の血漿に存在する特異的miRNA分子種の検出を試みた。 人工授精後21日の牛からEDTA採血管を用いて採血し、血漿を得た。血漿中miRNAはmiRNeasy serum/plasmaキットを用いて抽出し、独自に開発したmiRBase 19.0 対応のウシ・カスタムmiRNAマイクロアレイ(Agilent G4474A-063969、755 miRNA対応配列搭載) による解析を行った。なお、人工授精後21日の妊娠牛(n=4)および非妊娠牛(n=3)での比較を実施した。755個のウシmiRNAを標的にしたマイクロアレイで検出可能であったmiRNAは128分子種であった。また、高発現を示す上位10分子種のmiRNAでは、妊娠牛と非妊娠牛での発現差は認められなかった。一方、妊娠および非妊娠牛群で発現の認められたmiRNAのうち2倍以上の変動を示したものは5つ存在した。その5分子種のmiRNAすべてが妊娠牛で上昇していた。さらに妊娠牛では発現していたが非妊娠牛で検出されなかったmiRNAは33分子種であった。これらのmiRNA分子種の個別定量および標的遺伝子の探索については解析中である。現在までに得られた成果から,妊娠血漿中に特異的に検出されるmiRNA分子種が明らかとなった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
妊娠血漿中に特異的に検出されるmiRNA分子種が同定されたことから,妊娠診断の新規バイオマーカー開発の可能性が示された。
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Strategy for Future Research Activity |
今後,各miRNAの個別定量による検証と、発情周期を含めた他試料との比較解析も実施し、新規バイオマーカーとしての有用性を明らかにする。さらに、標的遺伝子との相互作用を含む機能的な役割についても解析を加える予定である。
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Research Products
(4 results)