2015 Fiscal Year Research-status Report
光量子束密度を指標としたブルーライト制御による育成牛の成長管理
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15K14846
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
杉野 利久 広島大学, 生物圏科学研究科, 准教授 (90363035)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小櫃 剛人 広島大学, 生物圏科学研究科, 教授 (30194632)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | LED / 子牛 / ブルーライト / メラトニン / 光周期管理 / 日長時間 |
Outline of Annual Research Achievements |
ホルスタイン種子牛6頭(8~12週齢)を光周期管理が可能な代謝室で飼養した。長日管理と短日管理の2つの日長管理下で、暗期前2時間に青色カットLED光(対照光、46lux)と青色LED光(4 lux)を等光量子束密度(0.465 μmol/cm2/s)でそれぞれ照射する4区を設けた。LED照射時間を除く明期は蛍光灯下(844 lux)で管理し,暗期は無照明(0 lux)とした。飼料は、配合飼料を2.5 kg/日を上限として給与、クレイングラス乾草を自由採食とし、暗期5時間前に給飼を行った。各期最終日に暗期3時間前より経時的に頸静脈カテーテルから採血した。採血後、血漿メラトニン、GH、グレリンおよびGLP-1濃度を測定した。また、各期5-7日の乾物摂取量(DMI)と各期開始日と最終日に体重測定を行い、日増体量を求めた。 DMIはLDPP区がSDPP区と比較して多い傾向にあり、乾草摂取量はLDPP区で青色光照射により減少、SDPP区では逆に増加する傾向にあった。LDPP区の血漿メラトニン濃度は、暗期2時間前から徐々に増加し、暗期には高値で推移した。SDPP区も同様の変化を示したがLED照射中の濃度は、LDPP区のそれと比較して低かった。青色光照射は対照光と比較して、照射中のメラトニン濃度を日長時間に関係なく抑制した。血漿GH濃度に関しては処理による影響はなかった。血漿グレリン濃度はLDPP区で青色光照射によって高くなり、逆にSDPP区では低下した。血漿GLP-1濃度はSDPP区がLDPP区と比較して高く、青色光によってさらに分泌は増加した。 以上のことから、暗期前の青色光照射は低い照度でもメラトニン分泌を抑制することが明らかになった。また、日長時間によって青色光のメラトニン分泌への影響は異なることが明らかになり、メラトニン分泌の変化は摂食関連ホルモンであるグレリンやGLP-1分泌、DMIに影響する可能性が考えられた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
概ね計画通りに進展しているが,当初予定していた長日管理下での試験に加え,短日管理下の試験を追加したことで,日長時間によりブルーライトの影響が異なるなど,「9.研究実績の概要」欄に記入した通り,計画以上の成果を得ることが出来た。
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Strategy for Future Research Activity |
初年度に得られた成果を基に,さらに詳細にブルーライトの影響を精査する予定である。
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Causes of Carryover |
一部,解析が終了していない測定項目があるため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度に解析を実施し,使用する。
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