2016 Fiscal Year Annual Research Report
Pathogenesis of canine breed-specific colorectal polyps
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15K14863
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
中山 裕之 東京大学, 大学院農学生命科学研究科(農学部), 教授 (40155891)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
内田 和幸 東京大学, 大学院農学生命科学研究科(農学部), 准教授 (10223554)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 大腸ポリープ / 消化管ポリープ / 腺癌 / ミニチュアダックスフント / ジャックラッセルテリア / 犬 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、直腸にポリープが認められたミニチュアダックスフント(MD)の71症例(炎症性ポリープ: 69、腺腫: 30、腺癌: 25、計: 124サンプル)を病理組織学的に解析した。これらのうち初診時に炎症性ポリープと診断された例は46例、腺腫は9例、腺癌は7例であった。このうち、炎症性ポリープの治療経過中に腺腫が発生した例は9例、腺癌が発生した例は5例であった。初診時に腺腫と診断された症例においても、同組織標本内に高頻度(8/9例)で炎症性ポリープの特徴的な組織像を認めた。免疫組織学的にBeta-cateninの核内陽性率は、炎症性ポリープ(6.4%)、腺腫(46.4%)、腺癌(75.4%)と有意に増加した。また腫瘍性病変では、APCはモザイク状に発現の強弱を認め、E-cadherinでは発現の低下が認められた。p53陽性率は腺癌にて有意に高値を示した。以上の結果よりMDの炎症性ポリープは腫瘍化する可能性が示された。その発生機序にはBeta-cateninおよびAPCの制御不全が関与すると考えられた。以上の結果をまとめて学会に発表するとともにVeterinary Pathologyに投稿した。また、これらの研究と並行してジャックラッセルテリアを含むすべての犬種の消化管上皮性腫瘍の回顧的研究を実施しているが、この結果は毒性病理学会で発表した。また2種のトランスジェニックマウスを用いて薬物誘発性潰瘍性大腸モデルを利用し、大腸腫瘍の再現実験を行っている。
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Research Products
(2 results)