2015 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
15K14884
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
藤井 渉 東京大学, 農学生命科学研究科, 助教 (40708161)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 発生工学 |
Outline of Annual Research Achievements |
哺乳動物においてゲノム改変個体を作製するためには、生殖細胞または初期胚の体外培養系が必要となるが、実際に体外操作できる種は限定されている。本研究では、生殖細胞や初期胚に対して、体外に取り出すことなく人工ヌクレアーゼを導入する系を検討し、全身性のゲノム改変動物を作製するための方法を確立することを目的としている。 はじめに、人工ヌクレアーゼの1つであるCRISPR/Casの構成要素であるCas9およびガイドRNAについて、単一のRNAポリメラーゼII型プロモーターによって発現誘導するシステムを確立した。これによって、従来と比較してより塩基長の短いユニットによるCRISPR/Casの導入が可能となった。さらに、ガイドRNAについては従来はRNAポリメラーゼIII型プロモーターによる恒常的な発現制御がなされていたが、本研究によってより厳密な制御下での人工ヌクレアーゼの利用が可能となった。 続いて、移植細胞からの分泌を介した生殖細胞への分子デリバリーの可能性について検討した。既報にしたがってオス免疫不全マウスの皮下にGFP陽性細胞を移植し、精巣を回収してGFP mRNAおよびGFPタンパク質の発現を調べたが、過去の報告のような精巣への分子デリバリーは認められなかった。従って、生殖細胞への人工ヌクレアーゼのデリバリー方法については、新たな方法を検討する必要がある。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初の計画通り本研究に利用する人工ヌクレアーゼツールの確立には成功したものの、移植細胞を介した分子デリバリーについては利用が困難であることが示唆されている。
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Strategy for Future Research Activity |
分子デリバリー法について、当初の予定の移植細胞の分泌を介した方法から精巣内への分子の導入と電気穿孔法による方法に変更し検討する予定である。
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Research Products
(10 results)