2015 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
15K14897
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
渡辺 肇 大阪大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (80212322)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | ミジンコ / タンパク質産生 / ゲノム編集 / ビテロジェニン / 細胞間輸送 / シグナルペプチド |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、ミジンコにおいてタンパク質の細胞間輸送に必要なシグナルペプチドを明らかにし、これを利用することで卵内に緑色蛍光タンパク質を蓄積させる手法を開発する。本技術が開発できれば、機能性タンパク質をミジンコの卵内に蓄積させることが可能となり、今後さらにニーズが高まる機能性タンパク質を従来になく安価で簡便に産生することが可能となる。ミジンコは培養が簡便で容易に増殖することからタンパク質産生に適した生物といえる。しかしごく最近まで遺伝子工学的手法が全くなく、ミジンコの改変は不可能であった。そうした中で、近年我々は世界に先駆けてミジンコの遺伝子操作技術を開発した。この技術を駆使することにより、ミジンコを簡便なタンパク質産生ツールとして開発することが本研究の目的である。このために卵黄タンパクの主要な成分であるビテロジェニンに着目した。ビテロジェニンは一般に脂肪体で合成され、ヘモリンフを介して卵に運ばれる。単にビテロジェニン遺伝子を目的タンパク質に置換しただけでは、卵の中に目的タンパク質を取り込むことはできない。そこで本研究では細胞外への分泌に必要なシグナルペプチド、卵に取り込むのに必要なシグナルペプチドを同定し、これらのシグナルを融合させたGFPタンパク質をミジンコ内で合成させることとした。現在までに、細胞内で合成されたタンパク質をヘモリンフ中に分泌するために必要なシグナルペプチドを同定し、実際にこのシグナルペプチドを融合させたGFPタンパク質がヘモリンフ中に分泌されることを確認した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
現在までに、ビテロジェニン遺伝子から細胞外への分泌に必要なシグナルペプチドを予測し、緑色蛍光タンパク質であるGFPの遺伝子と融合させた。この融合遺伝子をミジンコ内で発現させたところ、GFP産生細胞からヘモリンフ中に融合遺伝子産物が分泌されることが確認できており、おおむね順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
細胞外分泌シグナルペプチドを融合させた緑色蛍光タンパク質がヘモリンフ中に分泌されることが確認できたため、今後はさらにこのキメラ遺伝子にビテロジェニン受容体が認識するシグナル配列を融合させ、トランスジェニックミジンコを作製する。これにより緑色蛍光タンパク質はヘモリンフ中に分泌された後に、卵母細胞で発現しているビテロジェニン受容体に認識され、卵母細胞に取り込まれることが予想される。トランスジェニックミジンコを作製した後に、卵中に取り込まれたGFPタンパク質を定量的に解析し、その効率を評価する。
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Research Products
(21 results)