2016 Fiscal Year Annual Research Report
Assignment of the nitrogen fixed ability to a plant by use of the endophyte- bacteria symbiosis system.
Project/Area Number |
15K14902
|
Research Institution | Ibaraki University |
Principal Investigator |
成澤 才彦 茨城大学, 農学部, 教授 (90431650)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西澤 智康 茨城大学, 農学部, 准教授 (40722111)
|
Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2017-03-31
|
Keywords | エンドファイト / 内生バクテリア / 植物生育促進 / 窒素固定 |
Outline of Annual Research Achievements |
植物共生性のRhizobium属細菌が持つ共生プラスミドを植物病原性Rhizobium属細菌に導入することで、根粒を形成して共生窒素固定を行うようになることや、その逆も確認されている。さらに、このような共生およびTiプラスミドの交換や脱落がRhizobium属細菌間において自然環境中で起こっていることが示唆されている。 そこで、本年度は、V. simplexから分離されたRhizobium sp. Y9のゲノム解読およびゲノム既知のRhizobium属細菌や菌類内生バクテリアとの比較を行い、ゲノム情報からRhizobium sp. Y9の植物および菌類との関係性について検討した。配列解析およびアセンブリの結果、Rhizobium sp. Y9の完全長ゲノムが得られた。同バクテリアは環状染色体、線状染色体、および環状プラスミドを有していた。得られたRhizobium sp. Y9の完全長ゲノム配列を基に、BLASTでの相同性検索を行った。その結果、本細菌は水生マメ科植物Sesbania cannabinaと共生するRhizobium sp. IRBG74のゲノム配列と最も高い相同性が得られた。環状染色体および線状染色体ゲノム配列において高い相同性が得られたが、環状プラスミドにおいては相同性は低かった。また、2番目に相同性が高かったのは、植物病原性を持つR. radiobacter C58であり、環状染色体、線状染色体、および環状プラスミドの相同性は、Rhizobium sp. IRBG74と同様の傾向を示した。Rhizobium radiobacter C58は植物病原性に関わるTiプラスミドを有しているが、Rhizobium sp. Y9はそのプラスミドを有していないことが確認された。 以上より、これらバクテリア間では菌類との親和性に関わる遺伝子群の相同性は高く、同様の形質を有するバクテリアがV. simplexに内(外)生出来る可能性、すなわちRhizobium sp.を利用した新たなDSE-バクテリア共生系の可能性が示唆された。
|