2015 Fiscal Year Research-status Report
ライブイメージング視野中の局所pHを評価しうる新規蛍光測定系の構築
Project/Area Number |
15K14914
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
三坂 巧 東京大学, 農学生命科学研究科, 准教授 (40373196)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 培養細胞 / pH |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究においては、培養細胞を用いた蛍光イメージングにおいて、細胞近傍の外液pHを測定可能な新規細胞評価系を構築することを目的とする。新規プロトン透過性チャネルと蛍光タンパク質を組み合わせた新たな手法を開発することで、pH変化を伴う細胞イメージングに新たな方法論を提案することが可能となることが期待される。 ・新規プロトン透過性チャネル発現細胞におけるチャネル発現量が細胞内pH変化に及ぼす影響 外液のプロトン濃度依存的に、細胞内へプロトンを透過することのできる新規プロトン透過性チャネルを発現させた細胞において、細胞内pH変化を観察した。プロモータの種類を変えた発現ベクターを用いて、当該チャネルを高発現・低発現させた細胞にpH感受性色素を負荷し、細胞外液を様々なpHに置換した直後からの細胞内pH変化について、蛍光イメージングにより測定を行った。その結果、プロトンチャネルを高発現させた場合には細胞内pHの変動が速く、低発現に抑えた場合には細胞内pHの変動が遅いことが観察された。細胞内pH変動速度は両条件で大きく異なったため、蛍光イメージングより明確に区別することが可能であった。 ・pH感受性蛍光タンパク質による細胞内pH変化の検出 EGFPはpH依存的な蛍光強度変化を示すという知見があるため、プロトンチャネル発現細胞に酸性刺激を行った際の細胞内pH変化を、EGFPの蛍光強度変化から観察可能であることが期待された。そこで培養細胞にプロトンチャネルおよびEGFPを共発現させ、細胞外液を様々なpHに置換した際のEGFPの蛍光強度変化について、蛍光イメージングにより測定を行った。その結果、pH感受性色素を用いた場合と同様の結果が得られ、EGFPをpH指示薬のように用いることができることが示された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の計画に沿った解析が実施できているため。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度以降の計画について、順次、実施していく。
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Causes of Carryover |
基金課題のため、残額については翌年度に使用することにした。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
残額は翌年度の物品費・出張費等に使用する。
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