2015 Fiscal Year Research-status Report
細胞傷害顆粒に対する新規膜結合型分子プローブの創製と機能解析法の開発
Project/Area Number |
15K14920
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Research Institution | Kyoto Institute of Technology |
Principal Investigator |
片岡 孝夫 京都工芸繊維大学, その他部局等, 教授 (20242307)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 細胞傷害顆粒 / パーフォリン / グランザイムB / LAMP-1 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、パーフォリン、もしくはグランザイムBとlysosome-associated membrane protein-1 (LAMP-1)を連結させることによって、細胞傷害顆粒に対する膜結合型分子プローブを作製することを目的とした。LAMP-1遺伝子は、C末端にリソソームの局在に必要な短いサイトゾル領域を有している。N末端にシグナル配列を含むヒトパーフォリン、もしくはヒトグランザイムBにヒトLAMP-1 (325-417)を融合させた遺伝子を作製し、C末端にFLAGタグ、もしくは緑色蛍光タンパク質(EGFP)を連結させた発現ベクターを構築した。ヒト胎児腎細胞HEK293Tにトランスフェクションし、抗FLAG抗体によるウェスタンブロッティングを行ったところ、パーフォリン-LAMP-1とグランザイムB-LAMP-1の発現が確認された。さらに、パーフォリン-LAMP-1-EGFPとグランザイムB-LAMP-1-EGFPは、LysoTracker Red DND-99と共局在することが観察された。 ヒトナチュラルキラー(NK)細胞株YTSから単離された細胞傷害顆粒に含まれることが報告されている膜タンパク質(Casey et al., Mol. Cell. Proteomics, 6, 767-780, 2007)とヒト末梢血由来NK細胞においてインターロイキン2刺激によって発現が亢進する分泌経路の関連遺伝子(Dybkaer et al., BMC Genomics, 8, 230, 2007)を比較し、共通する遺伝子としてTMP21、HM13、SLC3A2を見出した。ヒトNK細胞株YTN10を用いてcDNAライブラリーを作製し、HM13とTMP-21の2つの遺伝子をクローニングし、C末端にFLAGタグを連結した発現ベクターを構築した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本研究では、パーフォリンとLAMP-1、及びグランザイムBとLAMP-1の融合タンパク質を作製し、これらの融合タンパク質の発現とリソソームマーカーとの共局在を確認することができた。また、ヒトNK細胞株YTN10のcDNAライブラリーより、HM13とTMP21をクローニングした。以上の点から、膜結合型分子プローブの作製はおおむね順調に進展している。一方、NK細胞における膜結合型分子プローブの遺伝子導入や機能解析がやや遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
今後、構築した膜結合型分子プローブの発現量や安定性に対する影響を検討する。さらに、NK細胞株への膜結合型分子プローブの遺伝子導入を試み、安定発現させたNK細胞を作製し、細胞傷害顆粒に特異的な膜タンパク質の探索や細胞傷害顆粒の高純度精製法の構築を行う。
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Research Products
(1 results)