Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
【アルブミン上の網羅的化学修飾解析法】既報のMALDI-TOF/MS法(Goto, Murata, Lee, Oe, 2013, Anal. Bioanal. Chem. , 405, 7383-7395)の効率化を目的に、LC/ESI-MS/MSによる方法論を以下構築した:イムノアフィニティー抽出、異なる消化酵素(トリプシン、Glu-C)・検出モード(正負イオン)、LC分離モード(逆相分配、親水性相互作用)の併用、差異解析ソフト・MS/MSデータの利用。その結果、修飾解析の効率化・信頼性の向上が可能であった。本法により、ヒト正常血漿試料から,36箇所のアミノ酸上に、7種の修飾を同定した(Goto, Kudo, Lee, Oe, 2015, Bunseki Kagaku, 64, 653-659 )。また、RedOxタンパク質としての評価を目的としたCys34-グルタチオン、システイン付加体の分析法、薬物修飾体スクリーニング系開発を目的に、基礎的な知見を得た。。 【ヘモグロビン上の網羅的化学修飾解析法】主要修飾(酸化、ニトロ化、脂質化、糖化)をターゲットとした感度・選択性に優れるスクリーニング系の構築を目的に、LC/ESI-SRM/MS法を以下構築した:モデル修飾体の調製と構造解析、主要生成物のSRM条件の最適化。本法により、主要な修飾の高感度なスクリーニングが可能となった(Kojima, Lee, Oe, Anal. Bioanal. Chem., 投稿中)。 【ケラチン上の網羅的化学修飾解析法】表皮タンパク質ケラチン上の化学修飾を、テープストリッピングによる非侵襲的サンプリングと簡便な精製法を組合せたLC/ESI-SRM/MS法を以下開発した:紫外線照射により時間異存的に増加する酸化メチオニンの同定、酸化メチオニンを含むペプチドのSRM条件の最適化。本法により、紫外線による皮膚ダメージを定量的に評価する事が可能となった(Lee, Matsushima, Miyamoto, Oe, 2016, J. Proteomics, 133, 54-65; Lee, Matsushima, Miyamoto, Oe, 2016, Data in Brief, 7, 100-106)。
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