2016 Fiscal Year Annual Research Report
Development of bioimaging by near-infrared to visible up-conversion
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15K14938
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| Research Institution | Shizuoka University |
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Principal Investigator |
川井 秀記 静岡大学, 工学部, 准教授 (80324341)
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2015-04-01 – 2017-03-31
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| Keywords | バイオイメージング / アップコンバージョン / 高分子ミセル / 界面活性剤 |
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| Outline of Annual Research Achievements |
三重項－三重項消滅(triplet-triplet annihilation : TTA)を利用したアップコンバージョン(up-conversion : UC)は、高出力のレーザーを用いることなく励起光よりもエネルギーの高い光を得ることができることから、様々な分野で応用が期待されている。このアップコンバージョンが高分子ミセルのようなナノ粒子で発現できれば、EPR(enhanced permeability)効果を利用したがん細胞のイメージングへの応用ができる。本研究では、親水部と疎水部からなる高分子共重合体から形成される高分子ミセル中において、三重項－三重項消滅に基づくアップコンバージョンを水溶液中で検討を行った。
増感剤に白金を配位したオクタエチルポルフィリン(PtOEP)、発光剤に9,10-ジフェニルアントラセン(DPA)を用いた。高分子ミセルにはポリエチレン－ポリエチレングリコール共重合体(PE-PEG)、界面活性剤はTritonX-100を使用した。
PtOEPとDPAを含んだPE-PEGミセル中を532 nmで励起すると、645 nm付近にPtOEPのリン光が生じ、432 nm付近にDPA由来のUC発光が観測された。このUC発光は非常に弱いものであったが、TritonX-100を加えることによって2桁以上に発光強度が増大した。これはマトリックスとして使用したPE-PEGの周りを界面活性剤であるTritonX-100が覆うことで、水中で高い分散安定性を保つことができたため、色素がミセル中に保持されたと考えられる。
TritonX-100を含むミセル中でのUC発光のレーザー光強度依存性を評価したところ、UC発光強度を励起光強度に対して両対数軸プロットすると、傾きが2から1への遷移が観測された。この挙動はTTAに基づくUC発光特有のものであり、しきい値は、31 mW/cm2となり比較的低い値であるといえる。
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