2016 Fiscal Year Research-status Report
New stem cell therapy base on freeze drying
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15K14944
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Research Institution | Yokohama City University |
Principal Investigator |
堀口 道子 横浜市立大学, 医学研究科, 客員研究員 (70632470)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 再生治療 / 幹細胞 / ドラッグデリバリーシステム |
Outline of Annual Research Achievements |
組織の効率的な再生治療法が確立できれば、治療法のない難治性疾患や外科手術後の組織再建が可能となり、多くの患者の命を救う革新的な医療技術となる。現在、幹細胞を移植する方法は、侵襲的な外科治療が主であり、今後、再生治療が広く普及するためには、非侵襲的な幹細胞の移植技術の開発が急務の課題である。そのため、既存の再生治療材料の概念にとらわれない治療材料の開発を進めていかなければならない。 本研究では、このような課題を解決するため、幹細胞の性質の理解と、非侵襲的な再生治療細胞材料の開発、そして臨床応用に向けた安全性および有効性の評価を進めている。幹細胞の性質を理解した細胞製剤の開発を進めるため、幹細胞の周辺環境に着目した。幹細胞の組織を修復する力は、幹細胞周辺の細胞群やサイトカイン、分泌物質などにより直接的または間接的に調整されていることを明らかにしている。特に、細胞外マトリックスと呼ばれる細胞の足場を構成する分子群は、幹細胞の特性の維持に重要な役割を果たしていることを明らかにした。さらに、幹細胞製剤の作製に成功し、製剤の有効性、安全性の評価結果が得られた。特に、安全性の評価においては、短期における毒性は確認されず、また長期にわたる発がん性の評価を行っているが、現在のところ、発がん性において問題は確認されていない。今後は、組織の線維化などへの影響を引き続き確認する。 これらの知見は、将来、非侵襲的な再生治療を実現するための基盤になると期待される。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
当初予定していた計画は完了し、論文発表などの成果発表も順調に進展している。加えて、作製した製剤に関して、安全性の評価が予定以上に進展しており、長期の毒性についても解明が進んでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、引き続き、研究成果の発表を推進していく。国内外での学会発表を予定している。
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Causes of Carryover |
補助事業に関する研究成果の発表を次年度に延期したため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度に延期した学会に参加するために使用する。
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