2016 Fiscal Year Annual Research Report
Development and application of M-cell targeting new adjuvant for mucosal immunization
Project/Area Number |
15K14988
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
三隅 将吾 熊本大学, 大学院生命科学研究部(薬), 教授 (40264311)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | M細胞 / 花粉荷 / 分化 |
Outline of Annual Research Achievements |
これまでに申請者は、Royal jelly (RJ)中のM細胞分化誘導因子を探索する中で、M細胞分化誘導能およびM細胞の抗原取込み促進能を有する新規物質がRJのエーテル画分に含まれていることを特定することができた (Food Science & Nutrition, 3, 222-211;227 (2013))。RJより特定した低分子化合物(95%以上精製品)を霊長類の鼻腔内に噴霧すると、M細胞マーカーGP2陽性の細胞が鼻咽頭に誘導できることも見出すことができている。そこで、本研究では、RJの約2.5倍程度M細胞の抗原取込み能を上昇させることを見出していた花粉荷中のM細胞活性化因子の同定、花粉荷のM細胞活性化機構の解明を試みた。 熊本地震の影響で、研究装置そのものが破損したために、研究基盤の立て直しに時間を要したが、花粉荷によるM細胞の抗原取込み能を上昇させる機構は、RJ由来の低分子化合物と異なる機構によって作用している知見が得られている。RJ由来のM細胞の抗原取込み促進能を有する新規物質で上皮細胞を処理すると、M細胞が分化する際にEtsファミリー転写因子のひとつであるSpi-Bの発現が誘導されるのと同様に、Spi-Bの時空間的な発現変動が見られたのに対し、花粉荷に関しては、現在までの知見ではそれとは異なる機構によって、M細胞の抗原取込み能が更新する可能性がでてきたと考えている。現在までのところ、そもそもひとつの花粉荷には、8000から3万ほどの花粉の粒がふくまれていると考えられ、花粉の細胞壁は非常に硬く、土壌中にあっても何十万年と分解されないものもあるという知見から、花粉そのものの機械的な刺激等によっても、M細胞の抗原取り込み能が亢進する可能性があるのではないかと考えている。
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