2016 Fiscal Year Annual Research Report
Development of a novel RNA trans-splicing molecule for cancer gene therapy targeting to cancer-type organic anion transporting polypeptide 1B3
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15K14994
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
降幡 知巳 千葉大学, 大学院医学研究院, 助教 (80401008)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
下里 修 千葉県がんセンター(研究所), 発がん研究グループ DNA損傷シグナル研究室, 上席研究員 (30344063)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | Cancer-type OATP1B3 / がん遺伝子治療 / がん |
Outline of Annual Research Achievements |
Cancer-type organic anion transporting polypeptide 1B3 (Ct-OATP1B3) は極めてがん特異的に発現する遺伝子産物であり、有望ながん治療標的である。そこで本研究では、大腸がんを対象として、Ct-OATP1B3を標的とする新たながん遺伝子治療法の開発基盤を確立することを目的とした。 Ct-OATP1B3のゲノム配列スクリーニングにより、本遺伝子を標的とする遺伝子治療用配列を同定した。この配列を用いてCt-OATP1B3標的がん治療用遺伝子を構築し、そのin vitroにおける有効性検証をおこなった。その結果、治療用遺伝子発現ヒト大腸がんLS180細胞において、Ct-OATP1B3の発現に依存した自殺遺伝子の発現が認められた。また、この自殺遺伝子の基質となるganciclovir(GCV)を曝露したところ、治療用遺伝子発現LS180細胞において高い細胞毒性(80.8 ± 4.8%)が認められた。 そこで、治療用遺伝子発現LS180細胞を用いて担がんマウスを作製し、in vivoにおける抗腫瘍効果を解析した。その結果、投与開始14日後の生理食塩水投与群の相対腫瘍体積は10.1 ± 1.8倍であったのに対し、GCV投与群では2.4 ± 0.7倍であり、GCV投与による腫瘍増殖の大きな抑制が認められた。 以上、本研究により、Ct-OATP1B3を標的としたがん遺伝子治療はin vitro・in vitroにおいて高い抗腫瘍効果を発揮しうることが明らかとなった。本成果は、Ct-OATP1B3を標的とする新たながん遺伝子治療法の社会実装に向けた最初の基盤的知見となると考えられる。
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