2016 Fiscal Year Research-status Report
大気環境・走査電子顕微鏡法による細胞と組織のライブイメージング
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15K15012
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
牛木 辰男 新潟大学, 医歯学系, 教授 (40184999)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
水谷 祐輔 新潟大学, 医歯学系, 助教 (40646238)
中島 真人 新潟大学, 医歯学総合病院, 特任助教 (60588250) [Withdrawn]
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 走査電子顕微鏡 / バイオイメージング / 大気圧観察 / 細胞と組織 |
Outline of Annual Research Achievements |
近年開発された大気環境走査電子顕微鏡(大気環境SEM)法により、大気圧という自然な環境で細胞や組織を観察する可能性を追求するのが本研究の目的である。平成28年度では、大気環境SEM試作機により、前年に引き続き実際に多様な生物試料を観察し、この顕微鏡の可能性と問題点を抽出した。植物の葉の表面のような組織では、試料表面が平坦で、かつ水滴が付着しない状態に試料を調整することができが、動物組織では、表面凹凸が複雑で、かつ表面に水滴が付着し、試料の真の形状の観察が難しい。その結果、動物組織の観察が予想以上に難しいことから、当初の生きた動物組織の観察をゴールにする当初の計画を多少修正し、以下の2点を中心に実験をすすめた。 1)生きた植物細胞の観察とそれによる細胞の電子線ダメージについて。植物細胞の観察は比較的簡単なことから、それを用いて生きた細胞への応用の可能性を検討した。 2)固定した動物組織における大気圧SEMの解析。すなわち、試料の表面を大気圧SEMに適した扁平な状態にする方法、SEM観察に不適切な表面の水分を排除するための方法としてイオン液体の使用などを検討した。このうちイオン液体を用いた試料処理法の可能性が期待できることがわかってきているが、その詳しい検討は今後の課題として残された。また、この顕微鏡を用いた病理組織の迅速診断等への活用が期待されるが、そのためには、さらに安定した試料処理法の検討・確立が期待される。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
おもにイオン液体を用いた試料処理法について実験途中にあるため、引き続き追加実験を行う予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
おもにイオン液体を用いた試料処理法について実験途中にあるため、引き続き追加実験を行う予定である。
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Causes of Carryover |
動物組織の大気圧SEM観察へのイオン液体の利用の実験が途中になっており、ある程度成果が期待されることから、次年度にこの続きの実験を行う必要がでたため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
イオン液体を用いた試料処理法の検討のため、実験動物、顕微鏡資材、薬品の購入に使用する予定である。また、研究の情報収集や情報発信のために、旅費を利用したい。
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Research Products
(1 results)