2015 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
15K15016
|
Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
小阪 美津子 岡山大学, 医歯(薬)学総合研究科, 助教 (50270476)
|
Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2017-03-31
|
Keywords | 幹細胞 / 体細胞 / がん |
Outline of Annual Research Achievements |
多能性維持に関わる本転写調節因子の発現細胞の実体を明らかにするため、発現細胞の系譜追跡が可能となるマウスや特異的に発現細胞を死滅させるマウスを作成するコンストラクトを作製した。 ヒトがん細胞株における本遺伝子発現の解析を実施し、多くのがん細胞で発現陽性であり、正常体性組織由来の分化細胞では発現陰性であることを確認した。これまでに本遺伝子の解析には問題点が指摘されていたが、今回、この問題を解決する方法を独自に開発して確証を得ることができており、がんの診断に応用できる可能性が得られた。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
カリキュラム変更に伴い教育・実習時間が大幅増したことにより、研究時間の確保が厳しくなり、達成度はやや遅れている。また、この遺伝子には予想以上に多種類の転写産物があることが判明し、その解析に想定以上の時間を費やした。しかしながら、研究自体は概ね計画に沿った方向で動かすことができており、新規知見も含め、大きな目標達成に向けた準備は着実に進められた。
|
Strategy for Future Research Activity |
大きな方向性の転換は必要とせず、概ね計画どおり実行する。がん細胞株を用いた結果をうけて、がんでの機能に着目した研究をさらに進展させる。分化多能性の実証実験には、げっ歯類ではなく霊長類などの、よりヒトに近い動物で行うことが必要となることが我々のごく最近の研究結果から予想された。従って、このテーマに関しては、サル組織などの入手と利用を視野に入れて進展させる。
|
Causes of Carryover |
今年度は予定していた遺伝子改変マウスの個体作成までに至らなかったため、その経費を次年度へ使うこととした。
|
Expenditure Plan for Carryover Budget |
一年目に予定していたマウス作成を次年度に行うため、マウス作成および飼育維持費に主に使用する。
|