2017 Fiscal Year Research-status Report
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15K15026
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
伊藤 義晃 東京医科歯科大学, 統合研究機構, 助教 (50511044)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | RNA結合タンパク質 / 転写後制御 / 代謝 |
Outline of Annual Research Achievements |
FGF21およびPGC-1αの3’-UTRをルシフェラーゼ遺伝子の3’-UTRに挿入したレポーターを作製し、約1200個のRNA結合タンパク質 (RBP)遺伝子やジンクフィンガータンパク質などを含んだ、RBPライブラリーを用いて、ハイスループットスクリーニングを行い、FGF21およびPGC-1αの発現を変化させる遺伝子のスクリーニングを行った。その結果、FGF21およびPGC-1α両方のレポーター活性を低下させる遺伝子として、zinc finger型のRNA結合タンパク質であるRBP-1を同定した。 本遺伝子について、CRISPRを用いて本遺伝子のノックアウトマウスを作製した。RBP-1ノックアウトマウスは、問題なく発生し、出生後の体重についてもプレリミナリーデータであるが変化はなかった。しかし、RBP-1ノックアウトマウスを用いて高脂肪食負荷による肥満モデルを行った結果、RBP-1ノックアウトマウスの体重増加は、野生型と比べて少ない傾向にあることが分かった。以上の結果から、このRBP-1がFGF21やPGC-1αの発現制御を介して代謝に関与している可能性が示された。 また当初の計画にはなかったが、転写後制御因子の標的遺伝子を同定する新しいシステムの開発に成功した。ルシフェラーゼ遺伝子の3’-UTRに、約5000の全長cDNAを挿入したレポーターライブラリーを作製し、興味あるRBPやmiRNAなどとともに細胞へ導入することで、レポーター活性からそのターゲット遺伝子をスクリーニングするシステムである。これを用いてmiRNAの標的遺伝子の同定に成功し(Ito et al, PNAS 2017)、またRBPへ応用可能であることを明らかにしている。本システムを用いてRBP-1の標的遺伝子の解析を行い、多数の候補遺伝子を同定した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
これまでに、ハイスループットスクリーニングによる代謝関連遺伝子を制御するRNA結合タンパク質のスクリーニングを行い、その結果より同定した遺伝子のノックアウトマウスの作製を終了させており、順調な進捗状況といえる。さらに、ノックアウトマウスの表現型解析から、代謝制御RNA結合タンパク質の候補遺伝子を既に同定しているほか、当初の計画にはなかったが、RBPやmiRNAなどの転写後制御因子の標的遺伝子を同定する新システムを構築し、PNASに発表している。
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Strategy for Future Research Activity |
RBP-1ノックアウトマウスについて、より詳細な解析を行う。これまでBDF1受精卵より作製したマウスを使用していたため、データにバラツキが見られた。そこでC57BL6へのバッククロスを5回実施し、高脂肪食負荷による肥満モデルを行い、皮下脂肪、内臓脂肪量の調査および組織学的解析を行う。また血中におけるサイトカインおよび、脂肪、筋肉、肝臓等における代謝関連遺伝子の発現について調査する。 また、また、レポーターライブラリーシステムを用いたターゲット遺伝子のスクリーニングにより、標的候補遺伝子を同定した。これらの詳細な解析についても行う。
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Causes of Carryover |
C57BL6とDBA1の掛け合わせで作製されるBDF1受精卵を用いて作製したRBP-1ノックアウトマウスの解析においてデータにバラツキが見られたため、C57BL6へのバッククロスを5回行った。そのため本マウスを用いた高脂肪食による肥満モデルの実施が次年度へ先延ばししたため予定額より使用額が下回った。本差額は肥満モデルを実施するために使用する。
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Research Products
(1 results)