2016 Fiscal Year Annual Research Report
Development of SOI detector adopted for recording single molecular dynamics of proteins
Project/Area Number |
15K15030
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Research Institution | University of Fukui |
Principal Investigator |
清水 啓史 福井大学, 学術研究院医学系部門, 講師 (50324158)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 1分子計測 / X線 / 蛋白質 |
Outline of Annual Research Achievements |
X 線1 分子動態計測法は、金ナノ結晶を観測プローブとしてイオンチャネル蛋白質に固定し、放射光白色X線を観測光としてチャネル分子の構造変化を金結晶からの回折点の運動として動画記録する。蛋白質の運動を追跡できる観測範囲はX線のスペクトル範囲と観測器の観測可能領域サイズ、および観測器のピクセルサイズによって規定される。X線のスペクトル範囲については、白色X線集光ミラーを放射光施設に導入することで解決した。残る課題は、広い範囲を計測できる観測器の開発である。現在、既製品として利用可能な検器は受光面積が小さい(解像度が悪いピクセルサイズ:80ミクロン~170ミクロン)ため、大きな構造変化を追跡しきれない問題があった。 半導体X 線検出器(SOI)センサーはピクセルサイズが17ミクロンと小さいため、X線1分子動態計測法に適合する検出器の開発を行うことを目標に、SOI 技術を用いた半導体X 線検出器の受光部の開発標準品(512x832 ピクセル)を連携研究者である新井康夫教授(高エネルギー加速器研究機構)よりご提供いただき、センサー部の特性についての試験データをSPring8 で取得した。 カメラ長の調整のための治具を作製し、センサーとサンプル位置との距離の調整を行った。また、ダブルセンサーチップ仕様のセンサユニットについてもその利用可能性を試験した。標準試料を用いて回折点の計測を行い、センサー感度は回折点を計測可能であることを確認した。また、標準試料を回折計によって回転させ、回折点に寄与するX線のエネルギーを変化させてSOIセンサーが持つエネルギー分光特性の利用可能性についても検討した。その結果、回折点はスポットとして計測され、背景ノイズとの区別には問題なかったものの、エネルギー分光特性については十分な検出・解析性能を示すことはできなかった。
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Research Products
(6 results)