2016 Fiscal Year Research-status Report
性行動による脳内ホルモンオキシトシンを介したマウス雌雄間の絆の形成
Project/Area Number |
15K15031
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
松井 秀樹 岡山大学, 医歯薬学総合研究科, 教授 (30157234)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松下 博昭 岡山大学, 医歯薬学総合研究科, 助教 (60732394)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | オキシトシン / ストレス / 絆 / 社会行動 / コルチコステロン |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、性行動によるマウス雌雄間の絆の形成とその形成におけるオキシトシンの役割を解明する。我々は、性行動によって分泌されたオキシトシンが海馬に作用して雌雄間の絆の形成を促進すると考えた。本年度は、オキシトシンの海馬神経細胞への作用を解析した。その結果、海馬スライスにストレスホルモンであるコルチコステロンを添加するとリン酸化p38 MAPKが増加したが、オキシトシンを同時添加したものでは、リン酸化p38 MAPKの増加が抑制された。また海馬神経初代培養にコルチコステロンを添加すると樹状突起が萎縮したが、オキシトシンを同時添加したものでは樹状突起の萎縮が抑制され、MAPK阻害剤の同時添加によりオキシトシンの作用は阻害された。さらに雌雄一対のマウスを同居させた後、血中コルチコステロン・オキシトシン値を測定し、交尾によるマウス雌雄間の絆の形成における影響を解析している。本研究から、性行動によって分泌されたオキシトシンは海馬に作用しストレスから海馬を保護していることが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
前年度と同様に性行動によるマウス雌雄間の絆の形成とその形成におけるオキシトシンの役割の解明は計画通りに進んでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
平成29年度は、性行動によるマウス雌雄間の絆の形成とその形成におけるオキシトシンの役割を解明し、国内外の学会での発表、学術雑誌への投稿を進める。
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Causes of Carryover |
実験が順調に進み新しく実験用消耗品を購入する必要がなくなったためである。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
引き続き研究を継続する。
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