2017 Fiscal Year Annual Research Report
Molecular basis for regulation of feeding and food-entrained rhythms via brain-bone marrow network
Project/Area Number |
15K15040
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
早坂 直人 名古屋大学, 環境医学研究所, 特任准教授 (80368290)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 概日リズム / 食餌同調時計 / ミクログリア / 視床下部 / 骨髄 |
Outline of Annual Research Achievements |
従来の概日リズム研究は、主として環境(昼夜)の変化に適応する時計(光同調時計、LEO)が研究されてきた。一方、絶食下で給餌を一定の時間に制限すると、給餌タイミングを記憶して給餌前から探索行動を惹起する「食餌同調時計(FEO)」の存在が示唆される。既に報告したように、本研究の第一の目的は、自由摂食条件下で光同調時計(LEO)に駆動される時計遺伝子の概日リズムについて、骨髄および視床下部で確認することであった。また、絶食や制限給餌負荷条件下で、それぞれの組織や細胞でFEOが関与する概日リズムの変化(リズム位相のシフト)が観察されるかどうかについて解析することである。目的の第二は、骨髄破壊マウスを作製して同様の食餌条件下で概日リズムを検討し、制限給餌性リズム(FAA)に対する影響の有無を明らかにすることである。第三は、視床下部のFEO駆動やFAA制御における寄与を明らかにするために、絶食時に発現が亢進する遺伝子KOマウスで、絶食ならびに制限給餌実験を実施することである。 これまでに、絶食ならびに制限給餌下で骨髄ならびに視床下部で時計遺伝子の発現に有意な変化を見出した。並行して、制限給餌負荷によって時計遺伝子の発現位相に変位が見られることも明らかにした。また、骨髄破壊マウスでは、絶食下において制限給餌性リズムの異常、すなわち給餌予知行動(FAA)の有意な低下が認められた。更に、絶食時に発現が有意に上昇する遺伝子のKOマウスで制限給餌を実施したところ、FAAの有意な減少を観察した。以上の結果から、FEOは、少なくとも骨髄、視床下部を含むネットワークから構成されている可能性が示唆された。また、骨髄から脳への特定のシグナルがFEOの制御下でFAAを誘導している可能性が示唆された。以上の結果から、本研究は、行動が脳以外の制御を受けるという新たな仕組みの一端を明らかにしたものといえる。
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Research Products
(3 results)