2015 Fiscal Year Annual Research Report
リゾビスフォスファチジン酸(LBPA)とS1Pシグナルのカップリング機構の解析
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15K15066
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
中村 俊一 神戸大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (40155833)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岡田 太郎 神戸大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (80304088)
梶本 武利 神戸大学, 大学院医学研究科, 助教 (00509953)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | スフィンゴシンキナーゼ / スフィンゴシン1リン酸 / 後期エンドソーム / LBPA / リゾビスフォスファチジン酸 / S1P |
Outline of Annual Research Achievements |
細胞内顆粒輸送では初期エンドソームを構成する膜構成成分或いはタンパク質がダイナミックな代謝を受けることにより、あるものはレサイクルされ、またあるものは後期エンドソーム(多小胞エンドソーム、MVE)へと成熟することが知られる。しかしながらこれらの成熟を調節する分子機構については不明な点が多い。申請者らは多小胞エンドソームがエキソソーム系への成熟を調節する重要なシグナルとしてS1Pシグナルが存在することを見出した。エキソソーム系MVE上の膜に存在するS1P受容体はオートクン機構により持続的に活性化されており、この結果生じるGiタンパク質の解離がエキソソーム系の腔内小胞への積荷輸送に重要であるらしい。これらの一連の反応で重要な鍵を握るステップはS1P受容体のリガンドであるS1Pの産生酵素スフィンゴシン・キナーゼ2(SphK2)のエキソソーム系MVEへのリクルートである。別のアイソザイムであるSphK1は細胞内オルガネラへのリクルートを促すターゲット分子としてフォスファチジン酸(PA)知られているが、SphK1はMVEにはリクルートされないことから、申請者らはMVEの特異的マーカ脂質であるリゾビスフォスファチジン酸(LBPA)に焦点を絞り、SphK2との結合を調べた。これら両者の結合をドット・ブロット・オーバーレイ・アッセイを用いて解析した結果、SphK2はLBPA、PAの両脂質に結合することが分かった。一方でSphK1はこれまでの報告通りPAに対しては結合するものの、LBPAに対しては結合しなかった。次にSphK2-GFPとMVEのマーカータンパク質としてCD63-mCherryをCOS7細胞に共発現させ、細胞を固定化後LBPA抗体を用いて免疫染色を行うと、LBPA陽性エンドソームにSphK2が存在しないケースも認められ今後更に詳細な検討が必要であることが明らかとなった。
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Research Products
(3 results)