2016 Fiscal Year Research-status Report
筋萎縮性側索硬化症の運動ニューロン選択的脆弱性と緩徐進行性の分子的基盤
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15K15081
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
田辺 康人 京都大学, 医学研究科, 客員研究員 (10311309)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 運動ニューロン / 神経変性疾患 |
Outline of Annual Research Achievements |
筋萎縮性側索硬化症 (amyotrophic lateral sclerosis; ALS)は発症後数年で死に至る神経難病であり、現在有効な治療法はない。切実に新たな治療戦略が望まれる。 ALSにおいては中枢神経系の神経細胞のうち、皮質および脳幹・脊髄レベルの運動ニューロン(MN)が選択的かつ緩徐進行性に障害を受ける。脳幹・脊髄レベルのMNは、支配する骨格筋の収縮速度や疲労性に従って、S-MN(遅筋支配、疲労抵抗性)、FR-MN(速筋支配、疲労抵抗性)、FF-MN(速筋支配、易疲労性)に分類されるが、ALSにおいてはそれらすべてのMNが病初期から同様に障害を受けるのではない。FF-MNがもっとも早期に障害を受け、その後、緩徐進行性にFR-MNおよびS-MNにも障害が広がることが知られている(Saxena et al., 2009; Kanning et al., 2010)。これはすなわちFF-MNとFR/S-MNの細胞内因的な特異性の違いにALSに対する脆弱性および抵抗性の謎を解く鍵があることを示唆する。その脆弱性はFF-MNとしての特異性を賦与している分子シグナルそのものに起因するのではないかと考えた。本研究では、FF-MN特異化に働く分子シグナル及びその下流の候補遺伝子群にALS発症の脆弱性があるのかどうかを明らかにすることを目指した。このため、in vivoにおいて解析するためにFF-MN特異化シグナルの強弱をモニターできるコンストラクトを組み込んだアデノ随伴ウィルス作成し、in vivoへの導入系を確立した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
臨床医としての業務内容、勤務地の変更があり、当初の客員研究員としての業務内容に大幅な変更が強いられたため。
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Strategy for Future Research Activity |
研究期間の延長および研究時間の確保を図る
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Causes of Carryover |
前年度(平成28年度)の研究遂行の遅れのため
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
研究計画書における平成28年度の研究計画を遂行する
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