2015 Fiscal Year Research-status Report
分裂期チェックポイント異常による早老症発症におけるテロメア不安定性の関与
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15K15082
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
松浦 伸也 広島大学, 原爆放射線医科学研究所, 教授 (90274133)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮本 達雄 広島大学, 原爆放射線医科学研究所, 講師 (40452627)
柳原 啓見 広島大学, 原爆放射線医科学研究所, 助教 (50719474)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 細胞老化 / モデル動物 |
Outline of Annual Research Achievements |
分裂期チェックポイント因子BubR1の発現が低下したマウスは急速に早老症を発症する。しかしながら、BubR1低下による老化誘導のメカニズムは不明のままである。最近ショウジョウバエやヒト培養細胞を用いた研究から、BubR1のテロメア末端への局在が示された。本申請研究では、BubR1変異マウスとヒトBubR1欠損症細胞を用いて、BubR1低下による早老症におけるテロメア不安定性の関与を明らかにすることを目的とする。 最近、人工ヌクレアーゼを用いたゲノム編集法が遺伝子改変マウスの作製に利用されている。この方法は、従来法と異なって、マウス受精卵の前核に一本鎖オリゴヌクレオチドと人工ヌクレアーゼを微小注入して里親に移植するだけで、高頻度に標的遺伝子を改変することができる。研究代表者らは、ヒト培養細胞で人工ヌクレアーゼを用いた一塩基置換法を開発して、PCS(MVA)症候群の原因変異を同定することに成功しており、ゲノム編集法はすでに教室のルーチンワーク技術として定着している。そこで本年度は、ゲノム編集法を用いて、日本人PCS(MVA)症候群で高頻度に検出される1833delTを導入したマウスを作製した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
計画通り、日本人PCS(MVA)症候群で高頻度に検出される1833delTを導入したマウスを作製した。
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Strategy for Future Research Activity |
平成28年度に作製したBubR1変異マウスがどの程度の老化を引き起こすのか観察するとともに、組織・臓器の病理検査を実施する。さらに、MEF細胞の老化とテロメア安定性を解析して、最終的にBubR1のテロメア恒常性維持における役割を解明する。
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Causes of Carryover |
ゲノム編集法を用いて、日本人PCS(MVA)症候群で高頻度に検出される1833delT(F611fsX625)をマウス受精卵に微小注入して里親に移植したところ、1833delT変異がF1世代マウスでも検出され、予想以上に速やかにマウス作成に成功した。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度に、BubR1がHypomorphicに欠損したマウスを作成して、BubR1発現低下マウスとして1833delT変異マウスとの交配に使用する。
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