2015 Fiscal Year Annual Research Report
栄養シグナルと炎症を結ぶ新規シグナル伝達経路の解明
Project/Area Number |
15K15086
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
中山 敬一 九州大学, 生体防御医学研究所, 教授 (80291508)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | インスリン抵抗性 |
Outline of Annual Research Achievements |
本申請研究では、予備的解析から完成したFOXK1(flox)マウスを用いて脂肪細胞特異的FOXK1欠損マウスを作製し、高脂肪食投与における血糖値とインスリン抵抗性を調べ、mTORC1やCCL2と同様にFOXK1と糖尿病に関連があるかを解析した。マウスで脂肪特異的にFOXK1を欠損させると、高脂肪食を投与してもインスリン抵抗性があまり起こらないことが判明し、mTORC1経路によるFOXK1の活性化がCCL2の転写量増加を引き起こし、それによって炎症反応が惹起されてインスリン抵抗性が付与されることが考えられる。またこれと並行して糖尿病予防薬の創薬を目指し、FOXK1阻害剤のスクリーニング系を構築するため、ハイスループットスクリーニングに適した細胞株として、mTORC1活性化依存的なCCL2の発現上昇を高い再現性で明確に誘導できる細胞株を選定した。次にCCL2の発現上昇を蛍光強度によって検出可能となるように、ゲノム編集技術を用いてゲノム上のCCL2の部位をEGFP (Enhanced green fluorescence protein) に置き換えた。すなわちCCL2が発現上昇するシグナルが入ればEGFPの発現量が上昇し、蛍光強度が増強する仕組みを作った。またカウンタースクリーニングとしてCMVプロモーター下に赤色蛍光タンパク質であるtdTomatoを発現するカセットを組み込み、EGFPとtdTomatoの蛍光強度比 (Ratio) を測定する系とすることで偽陽性率を低下させる。また、CCL2発現はmTORC1-FOXK1経路だけでなく、古典的なNF-κB経路の影響を受けるため、これを抑制するためにゲノム編集技術を用いてNF-κB経路の必須分子RelAを欠損させた。これによってノイズを受けることなく安定的な結果を得ることができることが期待される。
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Research Products
(5 results)
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[Journal Article] Slowly dividing neural progenitors are an embryonic origin of adult neural stem cells2015
Author(s)
Furutachi, S., Miya, H., Watanabe, T., Kawai, H., Yamasaki, N., Harada, Y., Imayoshi, I., Nelson, M., Nakayama, K. I., Hirabayashi, Y., Gotoh, Y.
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Journal Title
Nature Neurosci.
Volume: 18
Pages: 657-665
DOI
Peer Reviewed
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