2015 Fiscal Year Research-status Report
胆道系幹細胞(BTSC)の単離法の確立と実体の解明
Project/Area Number |
15K15115
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Research Institution | National Center for Global Health and Medicine |
Principal Investigator |
田中 稔 国立研究開発法人国立国際医療研究センター, その他部局等, 室長 (80321909)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 幹細胞 / 胆管 / 再生 / 膵臓 |
Outline of Annual Research Achievements |
肝外胆管とは肝臓と十二指腸をつなぐ管であり、胆汁を腸内に排出する役割を果たしている。近年、肝外胆管に胆道系幹細胞(Biliary Tree Stem/Progenitor Cell; BTSC)という胆管細胞、肝細胞、膵内分泌細胞への分化能を有する幹細胞が存在することが報告されたが、その実体や役割はほとんど分かっていない。本研究は、BTSCの同定法や単離法を確立することで、生体内でのBTSCの性状や動態を明らかにするとともに、恒常性の維持や障害後の再生への寄与ついても明らかにすることを目的としている。本年度は肝外胆管からEpCAM+TROP2-細胞として樹立した細胞株のBTSCとしての多分化能をin vitroで評価した。まず、単離したEpCAM+/TROP2-細胞に対して3次元培養を行い、胆管系への分化能の評価を行った。その結果、EpCAM+TROP2-細胞はTROP2を発現するようになり、上皮細胞極性を有する嚢胞様構造を形成した。一方、膵β細胞への分化誘導を試みた結果、β細胞に特徴的であるインスリンの発現を確認することができた。また、障害後のBTSCの動態を調べるために、胆管結紮による胆道障害後のTROP2の発現を調べた。その結果、EpCAM+TROP2-細胞は維持される一方で、TROP2+細胞の著しい増加が認められた。以上の結果から、BTSCはTROP2陽性の肝外胆管上皮細胞を供給することで障害後の再生に寄与している可能性が示された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
BTSCを規定しうる新規マーカーの同定はやや遅れているが、その一方で次年度行う予定であったBTSCの膵β細胞への分化能の確認や、胆管結紮後の評価ができたため、全体としては概ね順調に進んでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
BTSCの回収量が当初予定していた細胞数よりも少ないことから、マイクロアレイによる新規マーカー分子の探索については遅れているが、細胞分取を重ねることで克服し、できるだけ早期に新規マーカーの同定を行う。
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[Journal Article] 3. Oncostatin M Confers Neuroprotection against Ischemic Stroke.2015
Author(s)
Guo S, Li ZZ, Gong J, Xiang M, Zhang P, Zhao GN, Li M, Zheng A, Zhu X, Lei H, Tanaka M, Li H
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Journal Title
J. Neurosci
Volume: 35
Pages: 1868-1876
DOI
Peer Reviewed / Int'l Joint Research
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