2016 Fiscal Year Annual Research Report
The biomarker candidates of latent tuberculosis in exosomes from human serum
Project/Area Number |
15K15132
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Research Institution | Kyoto Prefectural University |
Principal Investigator |
岡 真優子 京都府立大学, 生命環境科学研究科, 准教授 (40347498)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | エキソソーム / 結核 / マクロファージ / バイオマーカー |
Outline of Annual Research Achievements |
潜在性結核は、無症候状態の休眠期結核菌(休眠菌)による感染症である。潜在性結核の罹患者は世界人類の3分の1とも言われており、これに対処することは結核を制圧するための重要な課題である。しかし、現状では潜在性結核を正確に診断する方法はなく、臨床現場では新しい診断法が求められている。そこで、本研究では潜在性結核の診断を可能とするバイオマーカーの探索を行った。結核菌が感染したマクロファージ由来exosomeには、宿主細胞由来のタンパク質や核酸に加え、結核菌由来の様々な分子の存在が推察される。特に、増殖期と休眠期の結核菌に発現するタンパク質が異なるため、exosomeに含まれる抗原タンパク質にもそれぞれの特徴があると考えられる。これまで、それぞれの結核菌感染マクロファージでのプロテオーム解析はなされているが、マクロファージ由来exosomeに着目した研究はない。そこで、exosomeに着目した。 平成27年度は、培養細胞を用いて結核菌感染マクロファージの分泌する抗原を同定するため、マクロファージのexosomeを精製した。増殖期または休眠期ウシ型結核菌BCG株を感染させたマクロファージは、共にM1マーカー分子を発現し、またexosomeの粒子径および粒子数に差はなかった。そこで、平成28年度は、これらexosomeに発現するタンパク質のMS解析を行った。その結果、BCG感染マクロファージ由来exosome中から93個のマウス由来タンパク質が検出された。そのうち感染ならびに非感染マクロファージのexosomeに共通して存在した77のタンパク質は除外し、感染マクロファージ由来exosomeにのみ存在した16個を候補とした。さらに、大腸菌や黄色ブドウ球菌など細胞外細菌感染時には見られなかった9個は、BCG感染時、exosomeに内包されて分泌されるタンパク質として同定した。
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Research Products
(6 results)