2015 Fiscal Year Research-status Report
ヒトヘルペスウイルス6感染に必須である受容体の同定と機能解析
Project/Area Number |
15K15141
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
森 康子 神戸大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (50343257)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | HHV-6 / 侵入 / 糖タンパク質 |
Outline of Annual Research Achievements |
ヒトヘルペスウイルス6(HHV-6)は、ヒトT細胞に感染して増殖する。HHV-6の細胞への侵入時に働く糖タンパク質は、gH/gL/gQ1/gQ2複合体およびgBが中心であることは既に報告されている。gH/gL/gQ1/gQ2複合体は、受容体に結合するタンパク質であり、gHおよびgBは特に膜融合に必要であることが示唆されている。そこで、本研究では、gBに焦点を当て、ウイルス侵入時におけるその機能を解析した。 gBは、ectodomain, transmembrane domain, cytoplasmic domain からなる糖タンパク質であるが、ウイルス感染におけるcytoplasmic tailの役割を解析した。cytoplasmic tailを欠失させたHHV-6変異体組換えウイルスゲノムを作製した。この組換えウイルスゲノムをウイルス感受性細胞に導入して、ウイルス再構築を試みたところ、ウイルスは、再構築されなかった、しかし、その復帰体は再構築された。すなわち、gBのcytoplasmic tailは、ウイルス感染に必要であることが明らかになった。そこで、cytoplasmic tailの役割を調べるために、cytoplasmic tailを欠失させたgBを作製して、293細胞に遺伝子導入し、その局在を調べた。結果、野生型gBとは異なった局在を示した。すなわち、野生型gBは、TGNに局在したが、変異体gBは、TGNには局在せず、ERらしきところに局在していた。本結果より、gBのcytoplasmic tailは、gBの輸送に関していることが示唆され、ウイルス感染には必須であることが、明らかとなった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
HHV-6B糖タンパク質gBのcytoplasmic tailが、ウイルス感染に必須であることを明らかにした。さらにcytoplasmic tailが、gBの輸送に重要であることも明らかにした。
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Strategy for Future Research Activity |
1.gBと相互作用する宿主因子を同定して、感染における役割を解析する。 2.cytoplasmic tailに関して詳細に解析して、どのアミノ酸がgBの機能に重要であるかを解析する。
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Research Products
(1 results)