2015 Fiscal Year Annual Research Report
自然免疫系における転写因子TFEBの役割についての解析
Project/Area Number |
15K15148
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
三宅 健介 東京大学, 医科学研究所, 教授 (60229812)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 自然免疫 / Toll様受容体 |
Outline of Annual Research Achievements |
自然免疫系では、Toll様受容体(TLR)をはじめとする病原体センサーが、病原体の侵入を察知し、転写因子NF-kBを活性化して、感染防御反応を誘導する。ハエからヒトまで保存されているが、線虫では、TLRもNF-kBのどちらも保存されていない。それにもかかわらず、感染に際して抗菌ペプチド産生が誘導される。最近、リソソームの恒常性に重要な転写因子TFEBが線虫において抗菌ペプチド誘導に関わる事が報告された。しかしながら、TFEBのヒト・マウスの自然免疫系における解析は進んでいない。本研究で、TFEBとリソソームに局在する核酸特異的TLRとの関係に注目し、TFEB転写因子のTLR応答における役割を明らかにすることを目的として、解析を進めた。特に、TFEBを過剰発現した細胞において、TLR4/MD-2やTLR7の応答が高くなっていたことから、TFEBとTLR応答との関係について解析を進めた。しかしながら、TFEBを発現させていたベクターに問題があり、TFEBと別の分子の融合タンパク質が産生される可能性があったため、そのような危険性のないベクターで新たにTFEBを過剰発現させたところ、TLR4/MD-2やTLR7の応答の変化は認められなくなった。この時点で、TFEBの解析は断念したが、3T3細胞におけるTLR応答の分子基盤についての解析を継続した。その解析から以下の点が明らかとなった。TLR3は刺激前は核の周囲に分布しているが、刺激後は細胞膜周辺にまで移行すること、さらにその細胞内移行がTLR3依存性のI型インターフェロン産生に重要であることを見出した。さらにTLR3がリソソームに局在していることから、TLR3の活性化によってリソソームの細胞内移行が誘導されることが明らかとなった。今後、リソソームの細胞内移行とTLR3の応答についての解析を進めてゆく。
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Research Products
(2 results)
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[Journal Article] Guanosine and its modified derivatives are endogenous ligands for TLR72016
Author(s)
Shibata T, Ohto U, Nomura S, Kibata K, Motoi Y, Zhang Y, Murakami Y, Fukui R, Ishimoto T, Sano S, Ito T, Shimizu T, Miyake K.
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Journal Title
Int Immunol
Volume: -
Pages: -
DOI
Peer Reviewed / Acknowledgement Compliant
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[Presentation] mTOR activation influences TLR3 signaling2015
Author(s)
SATO Ryota, SAITOH Shin-Ichiro, SHIBATA Takuma, FUKUI Ryutaro, MURAKAMI Yusuke, KATO Akihisa, ARII Jun, KAWAGUCHI Yasushi, MIYAKE Kensuke
Organizer
日本免疫学会学術集会
Place of Presentation
札幌コンベンションセンター(北海道 札幌市)
Year and Date
2015-12-18 – 2015-12-20