2015 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
15K15156
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
原 博満 鹿児島大学, 医歯学域医学系, 教授 (20392079)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
李 花 鹿児島大学, 医歯(薬)学総合研究科, 助教 (70597517) [Withdrawn]
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | アレルギー / 免疫学 / 接触皮膚炎 / ITAM / 自然免疫 |
Outline of Annual Research Achievements |
アレルギー性化合物を認識するITAM受容体を探索するため、ITAM受容体-Ig融合蛋白ライブラリーを用い、ELISAシステムにてパプテン(TNCB、Oxazolon、FITC)に対する結合能を探索した。その結果、強い結合性を示すIgスーパーファミリーに属するITAM受容体2種(IgsfR1とIgsfR2とする)と、弱い結合性を示すC型レクチン受容体1種(CLR1とする)を同定した。過去の報告sて、IgsfR1とIgsfR2はDAP12会合型、CLR1はFcRg会合型と報告されていたITAM受容体であった。DAP12欠損マウスはハプテン誘導性アレルギー性接触皮膚炎に対して非感受性であることから、DAP12会合性のIgsfR1とIgsfR2がハプテンセンサーである可能性が高いと考え、これら受容体とDAP12を安定発現させたNFAT-GFPリポーター細胞を作成し、ハプテン認識によるITAMシグナル活性化を検証した。その結果、IgsfR1発現レポーター細胞はTNBS、Oxazolon刺激により、IgsfR2発現細胞はTNBS、Oxazolon、FITCによりGFP発現及びIL-2産生が誘導された。したがって、これら2つの受容体がハプテンを感知する自然免疫センサーである可能性が考えられた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本年度計画していたスクリーニングによって、ハプテンを認識し、ITAMシグナルを活性化するITAM受容体候補を2個同定することができた。これに関しては計画通りに進んでいると言える。しかし、さらに計画していた、候補受容体欠損マクロファージ細胞株を用いたハプテン応答試験については本年度中での遂行に至らなかった。受容体欠損細胞株を作成するため、まず、オフターゲットの少ないNickaseを用いたCrispr/Cas9システムでのゲノム編集システムの構築を検討し、これに成功した。次に、実際にIgSF1とIgSF2のKOを行う予定であったが、これを担当する予定であった研究分担者の李が、一身上の都合により退職したため、研究の進捗が滞り、計画通りに研究を進めることができなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度は、本年度実施できなかった候補受容体遺伝子欠損マウロファージ細胞株の作成と、これを用いたハプテン応答試験を試みる。また、候補受容体の遺伝子欠損マウスの入手を試み、これを用いてハプテン誘導性接触皮膚炎(CHS)を実施し、CHS誘導におけるこれら受容体の役割を明らかにする。以上の検討によって、これら候補受容体がアレルギー性接触皮膚炎の感作に重要であると結論された場合、IgSF1とIgSF2を発現するNFAT-GFPリポーター細胞を用いて、アレルゲン性が報告されている様々な化学物質に関してレポーター細胞活性化能を網羅的に検査する。これにより、このシステムが化合物のアレルゲン性検査に有用であるかを検証する。
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