2016 Fiscal Year Annual Research Report
Identification of niches of natural helper cells in non-lymphoid tissues
Project/Area Number |
15K15158
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Research Institution | Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
本村 泰隆 国立研究開発法人理化学研究所, 統合生命医科学研究センター, 基礎科学特別研究員 (10587794)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | NH細胞 / ニッチ / アレルギー / 好酸球集積 |
Outline of Annual Research Achievements |
寄生虫感染防御反応やアレルギー炎症などの2型免疫応答を制御するナチュラルヘルパー(NH)細胞は、当初腸間膜脂肪組織内の脂肪組織リンパ集積(FALC)に存在する新規のリンパ球として見出された。その後、脂肪組織だけでなく、肺や腸管、皮膚といった非リンパ組織においても存在することが明らかとなった。非リンパ組織においてもFALCのような微小環境が存在するかを検証するため、アレルギー病態におけるNH細胞の動態解析を行った。アレルゲンとして知られるパパインを点鼻投与することで肺のアレルギー炎症を誘導する喘息モデルマウスにおいて、肺、気道および所属リンパ節の縦隔リンパ節におけるNH細胞を解析したところ、定常時では、肺のみにNH細胞が検出された。一方で、喘息モデルマウスでは、気道と縦隔リンパ節においてもNH細胞の集積が認められた。NH細胞を含むリンパ球が存在しないIL-7受容体欠損マウスに肺から単離したNH細胞を移入し、パパインを点鼻投与することにより、肺へのNH細胞の集積および気道と縦隔リンパ節への浸潤が誘導されたことから、移入したNH細胞が肺へ移行し、活性化することが示された。さらに、パパインにより活性化したNH細胞はIL-5産生を介して肺への好酸球の浸潤を誘導するが、好酸球欠損マウスでは、NH細胞自体の活性化が減弱していた。この結果は、好酸球とNH細胞が直接相互作用していることを示唆していた。パパインを投与したマウスの肺では、好酸球の集積が点在して認められたことから、この好酸球の集積の場がアレルギー病態における肺のNH細胞のニッチとして働いている可能性が示唆された。
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Research Products
(9 results)