2016 Fiscal Year Research-status Report
Positive Devianceによる課題解決手法を通じた栄養改善への効果
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15K15163
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
神馬 征峰 東京大学, 大学院医学系研究科(医学部), 教授 (70196674)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
柴沼 晃 東京大学, 大学院医学系研究科(医学部), 助教 (90647992)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 介入研究 / 疫学研究 / 社会調査 / ネパール |
Outline of Annual Research Achievements |
1) 最も被害が大きくネパール政府や国際支援団体から多くの直接支援が行われているSindhupalchok県を介入研究の対象地から除外した。そして、被災による被害が比較的大きい県(Dhadhing県)と比較的少ない県(Myagdi県)の2県を対象県とすることにした。 栄養不足の根本的な解決には、地域住民が入手できる食糧を利用した栄養改善施策が必要になる。介入として、大震災後の困難な社会経済状況下にありながらも、必要な食糧を賄えている住民(Positive Deviants)の行動をモデルとした。 2) 事前調査(6-9月)、事後調査(3月)をDhading県、Myagdi県にて実施した。 本研究は介入研究である。ベースライン調査では学校保健担当の教員24名、8-10年生の学童2,400名への質問紙調査、および学童の身体測定を実施し、1991名からの回答を得た。介入研究を実施するにあたりDhadhing県、Myagdi県の対象校24校をランダムに対照群(12校)・介入群(12校)に振り分け、介入群の有志の学童による子どもグループを作成し、学校保健栄養活動を通してPDを共有した。その際、教員が適宜助言を行えるようファシリテーター・トレーニングを行った。介入期間は6ヶ月とし、教師へのトレーニング終了6か月後にプログラムを評価した。 プログラム評価の際には介入群・対照群両方において、ベースライン調査を実施した学童1,991名を対象にした質問紙調査および身体測定を実施し、1,542名より回答を得た。質問紙はベースライン調査と同じものを用いた。調査結果を基に、PDを用いた栄養改善活動が学童の栄養・発育状態や摂食状況に及ぼす影響について評価する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
現地の実情に合わせて研究内容を変更した。 Sindhupakchok県は地震の被害が大きく、学校の倒壊も多く見られた。また政府・外部団体からの支援プログラムが複数存在しており、食料の直接配給も行われていた。PD手法の有効性を検証する目的には適さないと判断し、対象県をDhadhing県とMyagdi県に変更した。また、震災後にガソリンの値段が高騰したため、プロジェクト対象地域を比較的カトマンズから近いDhadhing県・Myagdi県にある都市の学校とした。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度は調査地(Dhadhing県・Myagdi県)における対象者(公立高校の教員と学童およびその保護者)の調査結果を基に分析、評価を行う。地域のPD特定、その結果を用いた学校への介入研究を通し、PDの学校保健栄養活動への効果と今後の学童・保護者・地域への課題について政策レベルでの提言を目標とする。
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Research Products
(3 results)