2015 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
15K15187
|
Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
野口 恵美子 筑波大学, 医学医療系, 教授 (40344882)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
坂東 裕子 筑波大学, 医学医療系, 准教授 (00400680)
|
Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2017-03-31
|
Keywords | 乳がん / セルフリーDNA |
Outline of Annual Research Achievements |
腫瘍による女性の壮年期の死亡原因として最も多い乳癌は、増殖が活発で予後が悪いものから、転移もなく予後がよいものまで、様々なサブタイプが存在し、そのサブタイプごとに有効な治療が異なる。癌が発生する過程で体細胞変異が蓄積していくが、乳癌患者ではTP53やPIK3CAの体細胞変異が患者腫瘍組織の10%以上の頻度で検出される。本研究では血液中のDNA断片であるセルフリーDNA(cell free DNA)が乳癌患者の転移を予測するためのバイオマーカーとして有効かどうかについて検証する。 本年度は筑波大学附属病院において乳癌と診断された患者の血液の血漿から抽出されたゲノムを使用して予備的実験を行った。共同研究者の坂東は、多くの乳癌患者を経年的にフォローしており、臨床症状、臨床データ等すべて附属病院内のデータベースに保存されている。本年度はゲノム解析に使用されることについての同意が得られており、冷凍保存されているものを20サンプル使用して予備実験をおこなった。本研究については筑波大学附属病院倫理委員会の承認が得られている。患者の末梢血を遠心した後、血漿2mlからQIAamp Circulating Nucleic Acid Kit (Qiagen)を使用して血漿cell free DNAを分離をおこなった。さらにTP53, PIK3CAの2遺伝子について、エクソン領域をすべてカバーするようなプライマーを作成が終了した。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成27年度の計画予定のDNA抽出とDNAの品質管理、TP53, PIK3CAの2遺伝子について、エクソン領域をすべてカバーするようなプライマーを作成は終了しており、おおむね27年度の研究計画は終了した。
|
Strategy for Future Research Activity |
H27年度に抽出されたDNAを使用して次世代シークエンサーを使用したシークエンスを行う。 転移群、非転移群のセルフリーDNAのシークエンスを行い、体細胞変異陽性とされた患者と陰性とされた患者について、実際の転移の有無について統計学的有意差を検討する。さらに変異の有無による生存率曲線(Kaplan-Meier法)から、2群について有意差があるかどうかについてCox-Mantel検定等によって検討する。
|
Causes of Carryover |
次世代シークエンサー解析では様々な試薬の改良が毎年急ピッチで行われており、平成27年度にも新たな簡便な試薬が次々に発売されている。平成27年度はもともと予備検討の予定であり、改良された試薬を少量購入して予備的検討を行っている。その予備的検討の結果を踏まえて平成28年度に試薬を購入するために次年度の繰越金が発生した。
|
Expenditure Plan for Carryover Budget |
平成27年度に得られた結果を踏まえて、より改良された本研究目的に合致した試薬を使用して次世代シークエンス解析を行い、研究の遂行に努める
|