2015 Fiscal Year Research-status Report
X線血管撮影装置による血管造影像を用いた定量的血流イメージング法の開発
Project/Area Number |
15K15213
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Research Institution | Fujita Health University |
Principal Investigator |
加藤 良一 藤田保健衛生大学, 保健学研究科, 教授 (80319251)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
市原 隆 藤田保健衛生大学, 保健学研究科, 教授 (90527748)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 局所血流の定量的評価方法 / ビームハードニング補正 / 信号直線性補正用球状ファントム / Patlak法 / 血流算出計算アルゴリズム |
Outline of Annual Research Achievements |
我々はX線血管撮影装置による血管造影法の施行中に可能な2コンパーメントモデルに基づく局所血流の定量的評価方法を考案した。本法では、血管造影像に対して、解析の前処理として造影剤投与前後での画像の引き算、画素の信号値と造影剤濃度の直線性を維持するためのビームハードニング補正、動脈や目的組織の動き補正を行った後に、造影剤注入動脈内と目的組織部の造影剤濃度の時間変化曲線からPatlak法により動脈から毛細血管外部組織へ流出する単位面積あたりの血流(単位:mL/分/cm2)を算出する。 平成27年度は、信号直線性補正法および血流算出計算アルゴリズムの開発を行った。 (1)信号直線性補正用球状ファントムの作成と検証 血流量を定量するためには血管造影画像の信号強度と造影剤濃度が比例関係でなければならないが,実際には散乱線やビームハードニング,グレアの影響によりこれらが比例せず,補正する必要がある。エポキシ樹脂に様々な濃度の硫酸バリウムを添加してX線吸収の異なる9種の球状ファントムを作成し、照射野内で同時に撮影することで、信号強度と造影剤濃度を比例関係に補正する直線性補正法を考案し、その有用性を検証した。種々の撮影条件および被写体条件で信号直線性補正用球状ファントムを用いて補正関数を求めることにより血管造影画像信号強度と造影剤濃度の直線性補正を可能とした。 (2)Patlak法を用いた血流算出計算アルゴリズムを開発 解析処理に必要なPatlak法を用いた初期的な血流算出計算アルゴリズムを開発した。さらに、近似直線相関の高速判定アルゴリズムを改良し、高速化を図った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本年度より研究代表者が所属学科長に昇格し、管理・運営業務の増加により多忙となったため、臨床研究業務に影響が出ている。臨床画像データの収集、高速画像処理装置の構築・導入がやや遅れている。本年度は管理・運営業務を効率化し、研究の遅れを挽回する予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
(1)臨床画像データによるアルゴリズムの評価及び修正 経皮的血管形成術および動脈塞栓術で得られた動脈造影像を研究室のサーバーに蓄積し、開発したアルゴリズムの評価を行い、不具合等を修正する。 (2)臨床的有用性の評価 血流算出計算アルゴリズムのさらなる高速化を図り、血管造影室に設置する画像処理装置に導入し、血管内治療過程における血管造影像を解析し、血管造影室にて定量的血流画像を作成する。治療前後の定量的血流画像の比較を行い、臨床的有用性の評価を行う。
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Causes of Carryover |
ワークステーション(高速画像処理装置)の構築・導入がやや遅れているため、次年度使用額が生じた。早急に高速画像処理装置を構築し、導入する予定である。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
昨年導入できなかったワークステーションの仕様を再考し、導入する。
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