2015 Fiscal Year Research-status Report
定位固定放射線源と診断用骨盤部MRI画像を用いたPET減弱補正法の開発
Project/Area Number |
15K15216
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Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology |
Principal Investigator |
川口 拓之 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 人間情報研究部門, 研究員 (60510394)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | PET/MRI / 減弱補正 |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度は、診断用のT1強調MRIを基にして骨の影響を考慮した減弱補正用画像(μマップ)の生成法を開発し、次年度の評価のためのプログラムの作成やシミュレーション環境のセットアップを行った。 診断用T1強調MRIを患者登録データベースシステムから抽出し、輝度値の確率密度関数をガウス混合分布モデルにフィッティングすることで領域分割を行うアルゴリズムを開発した。放射線科医の指導のもとに手動で領域分割した画像を作成し、これを正解値として、十分な精度で領域分割が行われていることを確認した。さらに、複数の被験者の手動画像における形状を標準化した上でした上で平均することによって、組織確率分布を作成しこれを輝度値の確率密度関数と合わせることで領域分割の精度が向上することがわかった。 放射線源から検出器に至るまでの各領域を通過した線路長を求めるプログラムを作成し、擬似的に放射線減弱に伴う検出光強度変化を求めるプログラムを作成した。擬似的なμマップは上記の手動で作成した領域分割画像に文献値を割り当てることで作成できるようになった。 PET画像再構成における減弱補正の影響を評価するために、STIRソフトウェア・ライブラリを用いてPETシミュレーションを行うための環境を計算サーバ上に構築した。また、STIRライブラリに適応するためのファイルIOや評価用プログラムを実行するためのスクリプトを作成し、動作確認を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
計画時のアイデアに加え、組織確率分布を利用することで領域分割の精度が著しく向上することを示せたため。
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Strategy for Future Research Activity |
従前の計画通り、今年度に作成した評価環境にて、提案による μ マップ生成の条件を変えて、至適な μ マップ生成法を 探る。具体的には、線源の放射能、線源固定位置、線源個数、領域分割結果における領域数を変える。 領域分割結果における領域数は、少なくするほど (ひとつの領域が大きいほど) 各領域の μ 値が安定し て求まるが、一つの領域に μ 値が異なる複数の領域が含まれてしまう可能性も高まるというトレード オフの関係がある。どの程度小さい領域を統合すれば、元の減弱補正用データと同等のものを作れる かを検討する。また、線源の放射能、固定位置、個数により、測定時間の短縮を図る。これらの条件 の違いの影響は、前年度に開発した検出光強度変化の算出法では評価ができない。そこで、Geant4 ソ フトウェアライブラリを用いたモンテカルロシミュレーションにて求める。モンテカルロシミュレー ションのプログラムは頭部組織の減弱補正法の開発時に作成したものを改変して使用する。これで求 めた提案法による μ マップを前年度に開発した PET 再構成シミュレーションに組込み、パラメータ の違いが PET 再構成画像に及ぼす影響を調査する。至適パラメータの関する研究は論文としてまと めて国際誌に投稿する。
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Causes of Carryover |
消耗品購入で端数が発生したため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
今年度の消耗品購入に充てる。
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Research Products
(4 results)