2015 Fiscal Year Research-status Report
シトリン欠損症の簡易スクリーニング法の確立と家系情報に基づく食嗜好パターンの探索
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15K15217
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
栗山 進一 東北大学, 災害科学国際研究所, 教授 (90361071)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
呉 繁夫 東北大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (10205221)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 分子遺伝疫学 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成27年度の本調査においては、東北メディカル・メガバンク機構が平成26、27年度に実施した地域子ども長期健康調査の参加者を対象として、調査票の分析から本調査の対象を特定した。平成26、27年度の地域子ども長期健康調査は宮城県内の小学2、4、6年および中学2年生を対象としている。本調査の対象者の特定には地域子ども長期健康調査のアンケート票の情報を使用して、出生体重が2900g未満であること、さらにはシトリン欠損症の特徴であるタンパク質や脂質を好み、糖質を嫌う傾向があるかあるいは糖類摂取後に具合が悪くなるという体質かどうかをスコア化して上位0.3%を対象とした。 特定された対象者は57名であった。そのうち地域子ども長期健康調査の電話による連絡を可能と回答していたのは19名であった。本調査では当該の16名について電話により本調査のご案内をした。その結果、8人が調査の参加を希望した。さらに日程調整の上、7人にインフォームドコンセントを実施して唾液を採取した。 唾液による遺伝子解析についてはDNAを抽出し、Real-time PCR法による融解温度曲線解析を行い、シトリン欠損症の原因遺伝子であるSLC25A13において日本人の変異アレル91%に該当する6種類の変異(①c.851del4、②g.IVS11+1G、③c.1628ins23④p.S225X⑤g.IVS13+1G>A⑥g.IVS13in3kb)の特定を試みた。その結果、6名は該当せず、1名はヘテロ接合が認められた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成27年度に計画していた地域子ども長期健康調査の対象の唾液採取については全て終了し、解析も実施しており、計画どおり進んでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度は引き続き調査票の内容から食品の嗜好と原因遺伝子のprevalenceに与える影響について検討を進める。
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Causes of Carryover |
調査スケジュールの調整等により調査対象者が見込みより少なかったため、唾液採取用キットの購入数が予定よりも少ない額となった。また、本年度は調査票の詳細な分析を実施しなかったため、分析専用のパーソナルコンピューターを次年度に購入することとした。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
調査票やゲノム情報を基にした詳細な分析のためのパーソナルコンピューターを購入する。調整がつかなかった調査対象者も含め、唾液採取のキットを購入する。また、成果発表の目途が立てられたので学会発表旅費や英文校正費にあてる。
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