2015 Fiscal Year Research-status Report
新たな子宮頸癌検診システムの構築:受診率向上を目指した自己採取HPV検査の導入
Project/Area Number |
15K15230
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
櫻木 範明 北海道大学, 医学(系)研究科(研究院), 特任教授 (70153963)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
Hanley Sharon 北海道大学, 医学(系)研究科(研究院), 特任助教 (80529412)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 子宮頸がん / 検診 / 自己採取HPV検査 / 検診受診率向上 / 検診システムの構築 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、平成26年度に、モデル自治体として協力を得ている江別市に住む20-43歳の平成26年度の子宮頸がん検診無料クーポン対象の女性、7647名を1:1:6の比でコントロール群(無料クーポンの配布のみ)、検診再勧奨通知群と自己採取HPV検査群に無作為に割付け、自己採取法の導入により検診受診率が向上するかを検討することを目的としている。
今年度は各群の検診受診率や住民検診における自己採取HPV検査実施の課題を検討した。
1.自己採取HPV検査群では570名(9.9%)が自己採取キット送付を希望し、そのうち392名(68.8%)が自己採取を行った。再勧奨群(RR=1.62, 95%CI 1.23-2.10)と自己採取キットを受け取った群(RR=8.31, 95%CI 6.68-10.34)の両群ともコントロール群に比べて検診を受ける割合が有意に高いことが判った。2.自己採取HPV検査を受けた女性の発がん性HPV感染率は9.2%(36名)であり、そのうちの21名(58.3%)はその後、医師による検診も受けた。3.各群の要精検率はコントロール群、再勧奨群のそれぞれ7.6%、5.6%に対して、自己採取群は58%だった。自己採取検査でリスクの高い女性をピックアップすることが出来たことが明らかになった。4.自己採取キットの希望者が低く(9.9%)保健センターから郵送された案内文書の封筒を開けず、捨てることが高いと考えられるため、案内文書の封筒の工夫が今後の課題となる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
今年度は順調に住民検診における自己採取HPV検査実施の受入れや課題の検討を実施していると共に、国内外でも研究発表を行っている。
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Strategy for Future Research Activity |
平成28年度には、自己採取HPV 検査CIN2+CIN3+に対する感度やNPV の精度指標を明らかにする。さらに、住民検診における自己採取HPV 検査の適切な運営方針を検討する。
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Causes of Carryover |
論文はまだアクセプトされていないため、予定した論文投稿料は未使用である。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
学会発表の旅費や論文投稿料としてとして使用予定である。
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Research Products
(6 results)