2017 Fiscal Year Annual Research Report
Influence of Helicobacter pylori infection on life-style diseases in Japan
Project/Area Number |
15K15231
|
Research Institution | Hirosaki University |
Principal Investigator |
下山 克 弘前大学, 医学研究科, 准教授 (50312492)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中路 重之 弘前大学, 医学研究科, 特任教授 (10192220)
|
Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
|
Keywords | Helicobacter pylori / 骨減少症 / 脂質代謝 / 鉄代謝 / 腸内細菌叢 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題では、これまでに行われた弘前市岩木地区の健康増進プロジェクト健診で得られた成績について、種々の生活習慣病についての検討を行い、学会発表・論文公表をおこなった。女性の骨減少症についてH. pylori感染がそのリスクを増大させないことをDigestion誌に発表した。従来の論文ではエストロゲン濃度が測定されていなかったのに対し、今回の論文の結果はエストロゲン濃度・出産数なども考慮されており、信頼性が高いものと考えられる。さらにH. pylori感染の除菌により貯蔵鉄が増加するという従来の報告に加えて、この変化には鉄・ビタミンCの摂取の増加が伴わないことをCogent Medicine誌に公表した。消化吸収学会誌にはH. pylori感染の除菌によりBMIが増加するが、血清脂質濃度には影響は少なく、脂質摂取量も変化しないことを報告した。 生活習慣病以外では、H. pylori感染と胃粘膜萎縮が腸内細菌叢の乳酸菌群に及ぼす影響を検討した。腸内に存在する乳酸菌の種類と数がH. pylori感染と胃粘膜萎縮の進展に影響を受けることを日本ヘリコバクター学会で発表し、とくに乳酸菌属についての検討結果はFrontiers Immunology誌に掲載予定となっている。また、2005年度からの検査結果の推移についても解析を行い、H. pylori感染者と未感染者の血清ペプシノーゲン濃度の変化について発表し、2017年に行われた第14回韓日ヘリコバクターシンポジウムでDistinct Poster Awardを受賞した。 さらに2017年度の弘前市岩木地区の健康増進プロジェクト健診で収集したデータより、現在は微量元素、血清抗H. pylori抗体価について検討している。
|
Research Products
(6 results)