2017 Fiscal Year Research-status Report
マンガン誘導性ミクログリア活性化によるパーキンソン病発症へのATP13A2の関与
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15K15239
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Research Institution | Fukushima Medical University |
Principal Investigator |
熊谷 智広 福島県立医科大学, 医学部, 講師 (20528111)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | パーキンソン病 / マンガン / ミクログリア |
Outline of Annual Research Achievements |
パーキンソン病様症状発症メカニズムや特発性パーキンソン病に対するマンガンの影響などは現在未解明である。近年、遺伝性パーキンソン病のKufor-Rakeb syndrome においてマンガン・トランスポーターの機能を有するATP13A2遺伝子の変異が発見された。一方、パーキンソン病様症状の発症にはミクログリア活性による炎症反応が影響することも報告されている。本研究では、マンガンがミクログリアを活性化させることから、マンガン誘導性ミクログリア活性におけるATP13A2 の役割を解明し、中毒量に達しないレベルのマンガンがパーキンソン病発症に与える影響のメカニズムを解明しようと試みる。 昨年度までの研究では、ミクログリアの細胞死に影響しないマンガン濃度は1μM前後までであること、また、そのマンガン濃度では、ミクログリア活性を産生サイトカイン(INF-γ,IL-6,IL-10,IL-12,MCP1,TNF,IL-1β)を測定することで検討した結果、コントロール群と産生量に有意差を認めたサイトカインがなかったことが判明した。さらに、10μM群との比較ではIL-10,IL-12,TNF,IL-1βで有意な増加を認めたことから、本年度は、ミクログリアの活性に影響の出ない範囲のマンガン濃度である10μM未満に設定した実験系で、ATP13A2のmRNA発現量定量や神経細胞培養実験を予定した。 しかし、これまで予備実験で使用していたマウス中脳黒質細胞が突然入手困難となったり、リアルタイムPCR測定系の確立が上手くいかなかったりしたため、実質的な実験結果を得られなかった。そのため、来年度への事業期間延長を許可いただき研究を継続することとなった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
予備実験で使用していたマウス中脳黒質細胞が突然入手困難となったり、リアルタイムPCR測定系の確立が上手くいかなかったりしたため、実質的な実験結果を得られなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
平成29年度に予定していた実験について、入手可能なマウス中枢神経系細胞に計画を変更して実施することや、ATP13A2のmRNA定量に関して外部委託の可能性などを検討する。
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Causes of Carryover |
(理由)入手予定のものが購入出来なかったり、実験が予定通り進行せず使用する予定であった予算が残ってしまったため。
(使用計画)事業期間延期となったため、持ち越しとなった実験遂行のために使用する。
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