2015 Fiscal Year Research-status Report
介護予防から災害弱者へのパラダイム転換-効果的な閉じこもり高齢者支援を目指して-
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15K15240
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
藺牟田 洋美 首都大学東京, 人間健康科学研究科, 准教授 (60250916)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
古田 加代子 愛知県立大学, 看護学部, 教授 (00319253)
山崎 幸子 文京学院大学, 人間学部, 准教授 (10550840)
山田 拓実 首都大学東京, 人間健康科学研究科, 教授 (30315759)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 閉じこもり / 高齢者 / 災害弱者 / 介入研究 / 介護予防 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では閉じこもり高齢者を災害弱者としてとらえ、災害時に自らの力で避難できる身体・心理的活力の回復を目指した支援プログラムを考案する。さらに住民組織の防災・減災の取り組みを活用しながら潜在的な災害弱者である対象者を見つけ出し、閉じこもり解消を目指すものである。1年目の研究成果は以下のとおりである。 まず、2015年4月から自然災害被災地での実態調査から閉じこもりの出現および実態や防災プログラムに関する文献収集を行った。目下、分析継続中である。 2015年8月には、感染症対策の専門家であり、防災教育の専門家である愛知県立大学の清水宣明教授をお招きし、東日本大震災への支援活動から見えてきた、今後の高齢者支援の課題についてご講演いただいた。引き続き、清水教授が防災教育でかかわっておられる三重県伊勢市大湊町を同年9月に視察した。同町は将来予測される南海トラフ地震の発生時には大津波の発生が予想されており、自治会レベルで14Mの避難タワーを建設し、防災意識の高い地域であった。また、小学校での避難行動教育、公民館で月2回の会食を提供し、高齢者の孤立化予防を推進している地区である。とはいえ、高齢化率30%を超え、独居高齢者、虚弱高齢者の実態把握が困難であること、発災時にはどれだけの高齢者が自力で避難行動をとれるのかについて不明な点もあり、早急の対策が望まれていた。 同年12月には首都大学東京の市古太郎先生をお招きし、都市建築の専門家の立場から宮城県石巻市での住民主体の復興支援について教授いただいた。専門家が後方支援をする形での住民主体の復興には時間を要するが、住民が主体的に復興に取り組まなければ真の復興にはつながらないことを学んだ。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
文献に関する分析等が本年度には終了しなかったため、介入プログラムの作成に遅れが生じている。そのため、やや遅れているとの評価とした。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度の成果を受け、来年度は研究調査候補地を決定し、対象地区の住民に対して、訪問調査を実施し、閉じこもりの選定と防災意識と避難行動を明らかにしていく。
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Causes of Carryover |
防災・減災教育に携わっている専門家への講師依頼が当初の予定より少なかったことと、本年度は文献整理が遅れたため、予定していたUSBなどの物品の購入が必要なくなったため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
文献整理終了後は、USBメモリ等を購入し、ファイル保存をする。 介入プログラム作成後、専門家にアドバイスを受ける必要があり、それに使用する予定である。
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