2016 Fiscal Year Research-status Report
介護予防から災害弱者へのパラダイム転換-効果的な閉じこもり高齢者支援を目指して-
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15K15240
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
藺牟田 洋美 首都大学東京, 人間健康科学研究科, 准教授 (60250916)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
古田 加代子 愛知県立大学, 看護学部, 教授 (00319253)
山崎 幸子 文京学院大学, 人間学部, 准教授 (10550840)
山田 拓実 首都大学東京, 人間健康科学研究科, 教授 (30315759)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 高齢者 / 閉じこもり / 災害弱者 / 心理的支援 |
Outline of Annual Research Achievements |
2年目の研究成果は以下の通りである。2016年夏、荒川区の一自治会と協働で研究を実施することが決定した。同年9月に同自治会が主催する防災訓練に研究者らが参加した。その結果、訓練には全住民数の1割の参加もなかった。とりわけ、若い世代の参加はほとんどなく、高齢期の人の参加も非常に少なかったため、参加者の増加が来年度の課題とされた。続いて、住民を支える行政の専門職の発災時における住民への対応についての意識を把握するため、2017年の1月と2月に実施した東京都葛飾区の保健医療福祉の職員を対象とする2度の研修会に参加し、参加者30名程を対象にアンケートを実施した。研究代表者らは2回の研修会に企画から参加した。葛飾区は、首都大学東京の市古先生と前年度震災復興マニュアルを作成し、それを活用するため、保健医療福祉分野の職員を対象に研修会を企画した。1回目の研修会は葛飾区に2017年1月に岩手大学教育学部の麦倉教授を招へいし、東日本大震災で大きな被害を受けた岩手県大槌町の震災後6年目の地域の現状と住民の目線からの支援の在り方について講演していただいた。続いて、2017年2月には要支援者のケースに基づきグループワークを実施した。その結果、アンケートでは、1.研修を通じて自分の役割がある程度想像できたと回答した人は58.8%、2.専門職として住民からのニーズなどに対応できる自信については、9割があまりないと回答した。一方で、自信があると回答した人は自分の役割がわかっていることを回答の根拠としていた。3.研修で不安になった課題として、災害弱者に対して防災・福祉・保健所の連携ができていないこと、行政職員も被災者である可能性もあること、行政や事業者と普段つながりのない人を発災時どのように把握したら良いかなどの意見が挙げられた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
研究協力を得られるフィールドの選定に若干時間がかかったため。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度の成果を受け、来年度は対象地域の全住民に対して、調査を実施し、閉じこもりの選定と防災意識と避難行動への備えについて明らかにしていく。
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Causes of Carryover |
研究協力地域の選定に時間を要したため、本年度はフィールド調査ができなかった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
来年度は上記の調査を実施し、住民が参加しやすい防災の取り組みを自治体とともに考案する。
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