2017 Fiscal Year Research-status Report
介護予防から災害弱者へのパラダイム転換-効果的な閉じこもり高齢者支援を目指して-
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15K15240
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
藺牟田 洋美 首都大学東京, 人間健康科学研究科, 准教授 (60250916)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
古田 加代子 愛知県立大学, 看護学部, 教授 (00319253)
山崎 幸子 文京学院大学, 人間学部, 准教授 (10550840)
山田 拓実 首都大学東京, 人間健康科学研究科, 教授 (30315759)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 閉じこもり / 高齢者 / 防災 / 行動変容 / 外出頻度 |
Outline of Annual Research Achievements |
高齢期の閉じこもりの問題は高齢者の閉じこもる理由が多岐にわたるため、具体的な支援につながりにくいことにあった。また、外出頻度の少なさが閉じこもりの特徴であるが、外出頻度を向上させる直接のツールはない。昨今、自然災害が日本各地で頻発し、発災時には各人の迅速な避難行動が要求される。しかしながら、外出頻度の低い閉じこもり高齢者では迅速な避難行動は難しい状況にあると言える。防災訓練に参加して参加者の固定化、1.関心の低さなどが見いだされたが、それらの防災訓練時の課題を打破するため、避難行動の訓練と新たな町の発見など町を探索することがつながれば、子どもから高齢者まで参加可能なプログラムになると考えた。参加者個人の防災意識や避難時における問題発見に特化したプログラムの作成を行った。 具体的には以下の通りである。 1.A区社会福祉協議会主催によるユニバーサルウォークへ参加し、このプログラムを参考に、研究対象地域で実施可能な計画に改変し、現在検討継続中である。 2.A区傾聴ボランティアの会へ協力依頼をし、閉じこもり高齢者またはフレイル高齢者に対し過去の水害・戦争体験の語りを通じ、現在の防災意識について把握する。当該ブランティアの通常の活動は虚弱高齢者宅を月2回訪問し、対象者の語りを傾聴している。 3.A区にて映像回想法ボランティアサークルを研究分担者が本年度立ち上げた。認知症予防のために、同区内の住民から昔の写真を集め、同区版回想法映像コンテンツを作成した。なお、水害等の災害の写真も多く残されており、これを次年度に活用できれば、世代を超えた防災教育に利用可能になる。参加者は30名ほどで次年度の一般住民向けの活動に向けて、回想法の講義なども聴講し、回想法に関する知識を体得した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
研究代表者の体調不良や本務校での業務多忙により、進捗状況は芳しくなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度は以下のように研究を進める 1.研究対象地域の社会福祉協議会が主催するユニバーサルウォークに参加し、イベントの内容やその評価法について学ぶ。ユニバーサルウォークとは、子どもから高齢者まで、障がいがある人もない人も参加し、町を歩くことを指す。来たるべき災害に備えて、命を守り、人と人との輪を拡げるための企画である。 2.研究対象地域で10月頃、ユニバーサルウォークを模した企画を実施し、防災マップ上で浸水地域から水害から逃れるため、避難場所まで町めぐりをしながら、町の良さの発見と防災上の課題を見つける。そして、効果検証する。 3.研究対象地域で既に活動実績のある映像回想法ボランティアと訪問傾聴ボランティアに協力を要請し、防災に関する参加者・利用者の意識について聞き取り、ボランティアも参加者も同時に楽しめる活動内容の検証とともに、水害・戦争の語りがもたらす社会的フレイル予防、すなわち社会的ネットワークづくりに役立つのかを検証する。
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Causes of Carryover |
研究の進展が遅れたためであり、本年度はプログラムの効果検証するために使用する
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